阪神は左翼でリーグ最下位、巨人は外野すべて下位、中日は唯一の1位なし 阪神の18年ぶりリーグ優勝で幕を閉じたセ・リーグ。…

阪神は左翼でリーグ最下位、巨人は外野すべて下位、中日は唯一の1位なし

 阪神の18年ぶりリーグ優勝で幕を閉じたセ・リーグ。オフに入り、各球団は課題に取り組んでいく。では、守備の弱点はどこにあるのか。リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す「UZR」を用いて検証した。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTAのデータを参照した。

○阪神
 大山悠輔内野手が主に守った一塁で「11.0」、近本光司外野手の中堅で「9.8」とリーグ1位の好成績。一方、左翼は「-13.2」で最下位だったが、シェルドン・ノイジー外野手がリーグ断トツの補殺12個を奪っているのは見逃せない。

○広島
 西川龍馬外野手が主に守った左翼でリーグ断トツの「7.5」。一方、菊池涼介内野手の牙城となっている二塁で「-1.3」と最下位に沈んだ。11年連続のゴールデングラブ賞に暗雲だ。一塁、遊撃もリーグ5位と内野手に課題が多い。

○DeNA
 関根大気外野手、大田泰示外野手、楠本泰史外野手ら複数選手を起用した右翼で、リーグ1位の「5.4」。一方、同じくレギュラーが定まらなかった遊撃では唯一のマイナス「-13.0」を記録した。守備の要だけに固定したいところだ。

○巨人
 吉川尚輝内野手が主に守った二塁でリーグ断トツの「11.0」。大きなアドバンテージを稼ぎ、ゴールデングラブ賞の期待も高まる。一方、中堅の「-3.0」はリーグ最下位。左翼と右翼も同4位と、外野守備の改善は急務になりそうだ。

○ヤクルト
 22歳の長岡秀樹内野手が、守備陣を牽引した。名手がひしめく遊撃でリーグ断トツの「10.9」。一方、お隣の三塁では同最下位の「-8.3」と対照的になった。村上宗隆内野手には圧倒的打撃で、守備のマイナスのカバーを期待したい。

○中日
 6球団で唯一リーグ1位のポジションがなかった。それでも一塁、遊撃、左翼では同2位と、貢献度の高い守備位置も多かった。一方、右翼では最下位の「-13.2」と大きなマイナス。細川成也外野手の伸びしろはまだまだ大きそうだ。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。