ファンタジーSは阪神JFの前哨戦的な位置づけのレースで、2019年以来、4年ぶりに京都競馬場を舞台に行われる。京都競馬場で行われた2010年から19年までの10年間で上がり最速馬は【3-1-3-5】。逃げ切ったのは13年のベルカントくら…

 ファンタジーSは阪神JFの前哨戦的な位置づけのレースで、2019年以来、4年ぶりに京都競馬場を舞台に行われる。京都競馬場で行われた2010年から19年までの10年間で上がり最速馬は【3-1-3-5】。逃げ切ったのは13年のベルカントくらいだが、今週からBコースが使用されることもあって先行力は欲しい。なお、18年ダノンファンタジー、19年レシステンシアがこのレースを勝って本番を制し、21年優勝馬ウォーターナビレラは本番3着。15年ブランボヌールは両レースともに3着と上位争いをしている。本番へ向けて見逃せない一戦だ。

 ◎キャンシーエンゼルは中京競馬場芝1200m新馬戦優勝馬で、小倉2歳S3着馬。デビュー戦は前後半の3ハロンが34.2秒〜34.5秒という平均ペースのレースとなったが2番手追走から楽に抜け出し、前走の小倉2歳Sは前半3ハロン通過が33.3秒で、後半3ハロン35.3秒という前傾ラップの中で3番手を追走し、最後の直線で抜け出そうという場面もあった。過去2戦を見る限り、レース巧者という印象を受けるので距離延長はプラス材料と判断したい。

 〇クイックバイオは札幌競馬場芝1500m未勝利戦優勝馬で、ききょうS優勝馬。前走は少頭数とはいえポツンと3番手を追走し、直線で早めに抜け出して後続の追撃を封じ込めた。新種牡馬ブリックスアンドモルタル産駒で、母アニメイトバイオは阪神JF2着馬で、のちのローズS優勝馬。まだ多頭数競馬でもまれた際には不安が残るものの一戦毎に競馬を覚えている印象で、勝てば桜花賞馬候補へと名乗りを上げる。

 ▲セントメモリーズは福島競馬場芝1200m牝馬限定新馬戦優勝馬で、ききょうS2着馬。エピファネイアの産駒でデビュー戦から豪快な末脚を見せていたが、わずかでも体重を増やした前走も最後方から鋭く伸びた。母は全3勝を芝1400m以下で記録したスピード馬。18頭立ての今回は位置取りがひとつのポイントになりそうだが、将来性は高そうだ。

 △キャプテンネキは新潟競馬場芝1400m新馬戦優勝馬で、りんどう賞優勝馬。速い時計の決着になったときには一抹の不安も残るがダイワメジャー産駒の大型馬で、こちらも豊かな将来性を感じる1頭だ。

 △シカゴスティングはフェニックス賞優勝馬。このレースでは出走メンバー中唯一のJRA勝ち馬という貫録を見せたがおばに桜花賞馬マルセリーナがいる血統で侮れない。キャリアの浅い馬同士で力の比較が難しいが、デビュー戦の勝ちっぷりが良かった△ワイドラトゥールも注目したい1頭だ。