男子テニスのロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)は1日にシングルス2回戦が行われ、第3シードのD・メドベージェフは世界ランク17位のG・ディミトロフ(ブルガリア)に3-6, 7-6 (7-4), 6-…

男子テニスのロレックス・パリ・マスターズ(フランス/パリ、室内ハード、ATP1000)は1日にシングルス2回戦が行われ、第3シードのD・メドベージェフは世界ランク17位のG・ディミトロフ(ブルガリア)に3-6, 7-6 (7-4), 6-7 (2-7)のフルセットで敗れ、2年ぶり3度目のベスト16進出を逃した。試合後メドベージェフは観客に中指を立てながら退場した。
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世界ランク3位のメドベージェフが同大会に出場するのは6年連続6度目。2020年には優勝、2021年には準優勝を飾っている。
シードのため2回戦からの登場となったメドベージェフはこの日、第1セットでディミトロフに2度のブレークを許し先行される。
続く第2セット、メドベージェフは第6ゲームで先にブレークを奪い第9ゲームでサービング・フォー・ザ・セットを迎える。しかしここでディミトロフにブレークバックを許したメドベージェフは、次の第10ゲームでも2本のセットポイントを逃し5-5に追いつかれる。
するとここでメドベージェフは苛立ちを爆発させラケットを叩きつけてしまう。この行動で会場は完全にメドベージェフに対しアウェーの状況となり、メドベージェフには大きなブーイングが浴びせられる。このブーイングの嵐に対しメドベージェフはこれではサーブが打てないとベンチに戻ってしまう。当然この行動にはタイムバイオレーションが与えられる形となり、メドベージェフに対する強烈なブーイングは勢いを増した。
それでもその後タイブレークの末に何とかこのセットを獲得したメドベージェフは1セットオールに追いつく。
迎えたファイナルセット、第6ゲームで先にブレークを許し後がなくなったメドベージェフは再びラケットを叩きつけ第7ゲームは折れたラケットでそのままプレーしディミトロフにキープされた。それでも土壇場の第9ゲームでマッチポイントを4本しのぎブレークバックに成功したメドベージェフだったが、タイブレークの末に力尽きた。
試合後、観客に対し中指を立てるような仕草を見せながら退場したメドベージェフは試合後の会見でこの行動について問われると「いや、してないよ。こうやって爪を見ただけさ。本当だよ。パリのこの美しい観衆の前で、なぜ僕がそんなことをしなければならないんだ?」と皮肉たっぷりに語った。
タイムバイオレーションを取られた場面についてもメドベージェフは説明した。
「ラケットを投げたらブーイングを受けた。普通だよ。それは問題ないと思う。僕がサーブをしようとすると、手拍子か何かが起こる。でも僕はサーブをしたいんだ。手拍子なんかすることじゃない。だから僕はまだサーブを打たなかった。この間、レフェリーが話していたから、グリゴール(ディミトロフ)は準備ができていなかった。でもブーイングを受けた。その理由がわからなかったからプレーしたくなかったんだ。それだけだよ」
「ブーイングが収まるまで僕はプレーしたくない。ブーイングが終わるまでプレーするつもりはない。でも観客はブーイングを止めない。だから、僕はもういいやと思ったんだ。これで失格になってこのまま試合を終えていいのかって思って、プレーに戻った」
「大会によって、僕の振る舞い方、観客の振る舞い方は違うと思う」
「僕にはフランス人の友達が多いんだけど、彼らはこの大会があまり好きじゃない。何か理由があるのかもしれないね」
「僕はここでは無観客の方がいいプレーができるよ」
メドベージェフは、メドベージェフらしい恨み節を残し大会を去った。
一方勝利したディミトロフは3回戦で世界ランク33位のA・ブブリク(カザフスタン)と対戦する。ブブリクは2回戦で同20位のN・ジャリー(チリ)を下しての勝ち上がり。