10月29日は東京競馬場で中距離の最強馬決定戦となる天皇賞・秋(GI、芝2000m)が開催されます。 近10年の勝ち馬にジャスタウェイ、モーリス、キタサンブラック、アーモンドアイ、イクイノックスなど。時に世界最強クラスの力がないと勝つことは…

10月29日は東京競馬場で中距離の最強馬決定戦となる天皇賞・秋(GI、芝2000m)が開催されます。

近10年の勝ち馬にジャスタウェイ、モーリス、キタサンブラック、アーモンドアイ、イクイノックスなど。時に世界最強クラスの力がないと勝つことは困難です。

今回は2002年の中山開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

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■主役は今週もC.ルメール騎手

今年の天皇賞・秋に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは10騎手。各騎手のデータは次の通りです。

天皇賞・秋騎手別成績(2000年~22年、22年の中山開催を除く)

GI中のGIだけあって人気馬に跨り続けられる騎手は限定されます。さらに高連対率なら文句なしですが、その両面を満たすのがC.ルメール騎手です。

2004年のダンスインザムード(13番人気2着)を皮切りに、18年のレイデオロ(2番人気1着)、19・20年のアーモンドアイ(ともに1番人気1着)、22年のイクイノックス(1番人気1着)と過去5度の連対。注目ファクターは1番人気時の成績で【3.0.1.0】勝率75%、複勝率100%。14年のイスラボニータこそスピルバーグの強襲に遭い3着でしたが、歴史的名馬に跨がればまず勝ちます。

同騎手が跨るのは前日最終オッズで単勝1.4倍の1番人気に推されたイクイノックス(牡4、美浦・木村哲也厩舎)。

人気通りと言えばそれまでなのですが、3連単と馬単の1着欄はイクイノックスとC.ルメール騎手で決まりです。

■武豊騎手は1番人気なら買いだが…

続いてC.ルメール騎手に次ぐ集計期間内3勝、通算では天皇賞・秋6勝を誇る盾男こと武豊騎手のデータを見ていきます。

2007年のメイショウサムソン(1番人気1着)、08年のウオッカ(1番人気1着)、17年のキタサンブラック(1番人気1着)のように1番人気では【3.0.1.0】勝率75%、複勝率100%をマーク。このように1番人気なら前述のC.ルメール騎手と同等の「鉄板級」と判断できますが、気になるのは2番人気以下では【0.0.1.15】となる点。2番人気では【0.0.1.3】で1番人気時と比べると大きな差が見られますね。

2番人気時は逃げ・先行馬に跨り直線で垂れてしまうことが多かったとはいえ、前日最終オッズで2番人気に推されたドウデュース(牡4、栗東・友道康夫厩舎)にとって後押しとなるデータではありません。

それでもドウデュースは昨年の日本ダービー馬。データを覆す走りがあっても驚けないでしょう。

■相手は横山武史騎手か、J.モレイラ騎手か

最後に集計期間内の騎乗数はそれぞれ1鞍も少ない機会をものにしてきた横山武史騎手とJ.モレイラ騎手のデータを見ていきます。

まず横山武史騎手。一昨年の天皇賞・秋をエフフォーリア(3番人気)に跨り勝利しています。

さすがにこれだけでは推せる・推せないを判断できないため、東京芝2000m戦に広げて集計すると集計結果は【11.7.9.56】連対率21.7%。平均人気5.5に対し平均着順5.9と人気と着順のバランスは悪くはないのですが、色々なファクターと重ねてみても突出するデータは確認できず、やや決め手に欠ける印象です。

一方のJ.モレイラ騎手は2018年の天皇賞・秋でサングレーザー(4番人気)を2着に導いていています。集計対象を東京芝2000m戦に広げた結果は【3.1.1.4】勝率33.3%、連対率44.4%で優秀です。来日する時期の関係上、東京のGI騎乗経験の少なさはネックと言えばネックですが、日本のGIで日本馬に跨った際は人気不問で【1.2.1.3】連対率42.9%というデータも見つかり、GIで頼れる騎手であることは間違いないでしょう。

横山武史騎手とJ.モレイラ騎手の比較なら後者を上に考えたいですね。

なお、横山武史騎手は前日最終オッズ6番人気のジャスティンパレス(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)、J.モレイラ騎手は前日最終オッズ5番人気のダノンベルーガ(牡4、美浦・堀宣行厩舎)に騎乗予定です。

以上、天皇賞・秋の気になる騎手データでした。

データ注目騎手はC.ルメール騎手です。相手をJ.モレイラ騎手が跨るダノンベルーガに絞った馬単1点で勝負してみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部 秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。