ロサンゼルス・レイカーズは、直近の10年で最も層の厚いロスターで2023-24シーズンに臨む。優勝も現実的な目標となった今、…

 ロサンゼルス・レイカーズは、直近の10年で最も層の厚いロスターで2023-24シーズンに臨む。優勝も現実的な目標となった今、注力すべきは主力の離脱や過労を避けることだ。

『The Athletics』によると、レイカーズは今シーズン、絶対的エースであるレブロン・ジェームズのプレータイムをキャリア最低水準に抑える計画があるようだ。

 2カ月後に39歳の誕生日を迎えるレブロンは、今シーズンでNBAキャリア21年目を迎える。未だ能力が衰えることはなく、10月26日(現地時間25日)時点でリーグ通算1704試合を戦い抜いた鉄人だが、ここ数シーズンはケガが目立ち、レイカーズの成績にも影響を及ぼしている。

 出場時間について注目が集まったのは、デンバー・ナゲッツと対峙した開幕戦でのことだった。21得点8リバウンド5アシストと上々のスタッツをマークしたが、プレータイムは29分にとどまった。

 この数字は昨シーズン平均より6分短い換算になるが、ダービン・ハムヘッドコーチは、今シーズンは基本的にこのような起用がメインになると語った。

「様子を見ながらだが、恐らくこの程度になるでしょう。彼は試合の感情に左右されやすく、長時間プレーしていることを忘れがちです。彼が最大限、効果的にプレーできるよう、我々は出場時間とパフォーマンスに繊細な注意を払う必要があります。彼の体調を見極め、彼、トレーニングスタッフ、メディカルスタッフとコミュニケーションを取りながら、日々を過ごしていくことになるだろう。私たちは連絡を取り合い、協力して正しいプランを導き出すつもりです」

“キング”はこの10年間、出場時間のコントロールに嫌悪感を示し、プレーすることへの情熱を露わにしてきた。これまで平均出場時間が33.0分を下回ったことはキャリアで1度もなく、昨シーズンは35.5分、一昨シーズンは37.2分のプレータイムを記録。しかし、直近の5シーズンは計111試合を欠場しており、そのほとんどがケガによるものだったことを忘れてはならない。昨シーズンにレブロンが欠場した27試合の大部分が足のケガによるもので、本質的には体の酷使によって悪化したものだった。

 試合後の会見では、レブロンに対しても同様の質問が投げかけられた。彼は自身の立場やチームプランを受け入れている様子で、与えられたプレータイムで任務を遂行したと自負している。

「試合に勝利するチャンスがある時や、ゲームに影響を与えられると感じた時は、常にフロアに立ちたいと思っています。でも、システムがあるので、それに従うつもりです。コーチと話し合い、第1戦に向けたゲームプランを立てていました。だから、僕は(プレータイムについて)驚きも、動揺もしていません。勝てなかったという事実を除けば、自分のパフォーマンスは生産的だったと思います。この試合、自分は『+7』(レブロンがプレーした時間はナゲッツを7点上回っていた)でした。ターンオーバーがなく、これには満足しています」

 もし、レイカーズのコーチ陣がレブロンのプレータイムを制限するのであれば、レブロンには未だかつてない忍耐力とチームメートへの信頼が求められるだろう。

 プレーオフの大事な局面に向けたレブロンの温存策。レイカーズのプランは、吉と出るか凶と出るか。

文=Meiji

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