【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】 ◆血統で振り返る菊花賞 【Pick Up】ドゥレッツァ:1着  重賞初挑戦、夏の新潟以来の実戦、大外枠、という懸念材料をモノともせず、3馬身半差で楽勝しました。  父ドゥラメン…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る菊花賞

【Pick Up】ドゥレッツァ:1着

 重賞初挑戦、夏の新潟以来の実戦、大外枠、という懸念材料をモノともせず、3馬身半差で楽勝しました。

 父ドゥラメンテは、牝馬三冠を達成したリバティアイランドに続き2週連続のGI制覇。2年前の当レースの覇者タイトルホルダーを含めてこれが7頭目のGI馬(Jpn1も含む)となります。この勝利で総合種牡馬ランキングの第2位に浮上し、首位ロードカナロアまであと3億6000万円余りと差を縮めました。天皇賞・秋にスターズオンアース、ジャパンCにリバティアイランドとタイトルホルダーが出走を予定するなど、主要産駒がGI戦線で稼働しているので、逆転でチャンピオンサイアーの座につく可能性は十分あります。今年からジャパンC、有馬記念の1着賞金がそれぞれ5億円に上がるのも追い風でしょう。

 母モアザンセイクリッドは、現役時代にオセアニアで走り、ニュージーランドオークス(G1・芝2400m)を勝ったほか、オークランドC(G1・芝3200m)でも3着と健闘しました。長距離を苦にしないスタミナの根拠はここにあります。また、母方にサザンヘイローを持つドゥラメンテ産駒は成功しており、ホープフルSを勝ったドゥラエレーデをはじめ、レヴェッツァ、ジュンブルースカイ、オクタヴィアヌスなどコンスタントに活躍馬が誕生しています。ニックスといっていいでしょう。

◆血統で振り返る富士S

【Pick Up】ナミュール:1着

 ハービンジャー産駒は今年重賞6勝目。この勝利で昨年の収得賞金を上回りました。今年は好調です。

 母サンブルエミューズは、BCディスタフを勝ったマルシュロレーヌの半姉で、本馬の他にアルテミスSを勝ったラヴェル、ファルコンSで3着となったヴェスターヴァルトを産んでいます。桜花賞馬キョウエイマーチの一族は活力抜群。毎年のように活躍馬が誕生しています。

 中央開催4場のなかで、東京芝はハービンジャー産駒にとって得意コースというわけではありません。ただ、母方の3代目にサンデーサイレンスとデピュティミニスターを並べた同産駒には、ヴィクトリアマイルなど重賞を5勝したノームコアがいます。ヴィクトリアマイルは今回と同じ東京芝1600mが舞台です。配合的にコース適性は高いといえます。