井上の異次元のパワーに対峙するべくタパレスが準備を重ねている。(C)Getty Images 史上最強の呼び声も高い井上尚弥(大橋)との大一番に向け、WBA&IBFスーパーバンタム級統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)は燃えている。【…
井上の異次元のパワーに対峙するべくタパレスが準備を重ねている。(C)Getty Images
史上最強の呼び声も高い井上尚弥(大橋)との大一番に向け、WBA&IBFスーパーバンタム級統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)は燃えている。
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「イノウエの母国である日本で、モンスターにとって最大の悪夢になるよ」(フィリピン紙『Phil Star』でのコメント)
そう自信を覗かせる31歳だが、対峙するのは「怪物」(井上の愛称)だ。キャリア25戦無敗22KOという圧倒的な戦績を誇る30歳は、文字通り敵なし。今年4月にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を判定の末に撃破し、世間を驚かせたタパレスでさえも容易に対峙できるライバルではない。
国内でも井上優位の下馬評が高まっている。それでも今年12月26日の日本開催が決定的と見られている井上戦に向け、タパレスも漫然と試合に臨むつもりはない。現地10月18日にフィリピンの放送局『GMA Network』によれば、国内合宿で行なうスパーリングパートナーに、WBCバンタム級暫定王者であるビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を据えたという。
数多の猛者を沈めてきた井上のパワーに対する対策となるのだろうか。アストローラビオは、「アセロ(鋼鉄の意味)」の異名が物語る通り、KO率6割を超えるパワーファイターだ。多士済々のフィリピンでも実力は指折りで、昨年2月には元世界2階級王者のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)を判定の末に撃破。相手がキャリアの晩年にあったとはいえ、ダウンをもぎ取っての勝利は彼の声価を高めるものとなった。
井上とのマッチアップに向け、秘策を練るべく25歳の同胞を「仮想・井上尚弥」として呼び寄せたタパレス。今月5日に母国紙『Phil Star』の取材に応じた際には「コンディションは良い感じだ。スタミナ、耐久性、パンチのパワー、クイックネスも同様に上がってきている」と断言。さらに「12月の対戦の夜までには、一番良い状態になっているはずだ」と力強く語っていた。
国内外で“楽勝ムード”も漂っている。そうした空気感で迎える4本のベルトを懸けた次戦だからこそ、井上にとって気の抜けない戦いになりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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