『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUP』は、トップアスリートの特別指導などによって現役部活生の『強さ』をひきだす、部活生応援プロジェクトだ。▼プロジェクト当日の様子はRiseUP特設ページからhttps://sportsbull.…
『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUP』は、トップアスリートの特別指導などによって現役部活生の『強さ』をひきだす、部活生応援プロジェクトだ。
▼プロジェクト当日の様子はRiseUP特設ページから
https://sportsbull.jp/riseup/
今回は、浦和学院の卒業生でハンドボール前日本代表キャプテンの土井レミイ杏利選手(ジークスター東京)の指導と、トップアスリートの食事管理も担当する株式会社 明治の栄養士・田中麻依子さんの講義を受けた浦和学院高校男子ハンドボール部にインタビュー取材を実施。特別講師の二人の訪問は、現役部活生にどのような影響をもたらしたのか。インターハイ本選を終えた岩本監督と、キャプテンの大久保昌憲くん、副キャプテンの塩畑陽太くん、榎本陽太くんに話を伺った。
土井選手の指導が32年連続インターハイ出場の大記録を後押し
特別講義の日は、インターハイ予選初戦の前日だった。浦和学院高校男子ハンドボール部にとってインターハイ32年連続出場のかかる非常に重要な大会だ。インターハイ予選を控えた時期の選手たちについて、「日々練習に励んでいるが、やっぱり32年のプレッシャーでネガティブな雰囲気になったりするときもあった」と岩本監督は話す。
そんな緊張感のただよう練習の日々に、土井選手の指導は大きな転機となった。キャプテンの大久保くんにとって、オフェンス面のアドバイスが特に印象に残っているという。「ディフェンスと少し接触されただけで味方にパスするのではなく、接触してからもう一回強く攻め、ディフェンスを寄せて味方を出すようなプレーをする」。このプレーを実際にできたことで、塩畑くんのシュートをアシストできたという。
また、副キャプテンの榎本くんはメンタル面での指導を試合でいかすことができたという。「ミスをしても楽しみながらプレーするということを意識して、チーム全員で声をかけあった。いいムードで試合に臨めたと思う」と語った。
迎えたインターハイ予選決勝の日。浦和学院高校は、浦和実業高校に34対22で見事勝利。32年連続でインターハイ本戦出場の切符を手にした。
インターハイ本戦でも全国の強豪校を相手に健闘を見せ3回戦まで進出。3回戦では惜しくも北陸高校 (福井)に33対39で負けてしまったが、岩本監督は、彼らは今シーズンで一番成長した姿を見せてくれたと話す。
「全国選抜でシード権を持ちながらも一回戦負けしてしまってから、この子たちは上手くいかないことがずっと続いてしまっていた。それがインハイ本戦では、高知中央高校との試合で前半ほぼ引き分けから後半一気に逃げて決め、北陸高校との試合では前半戦でのリードができていた」。
土井選手の指導は、技術面とメンタル面ともに選手の力となり、これまでの練習で身に付けたことを最大限に発揮するための最後の一押しとなった。
個人の意識の変化によってさらに強いチームへ
日々の部活で激しい運動とトレーニングに取り組んでいる部活生たち。体調管理をすることはチームの目標達成のために必要不可欠である。今回の特別栄養講座では、4つの重要な栄養素とそれらをバランス良く摂るコツ、カラダづくりの考え方、リカバリーのポイントなど、大会前の選手にとって、特に知りたいポイントがまとめられていた。
榎本くんは、この講座で学んだ「栄養フルコース型」の食事法が印象に残っているという。自分の食生活を見直し、足りない栄養素があると気付いた部分をフォローしていくきっかけになったそうだ。
塩畑くんは、学んだことをインターハイ本選の期間中に実践していたという。試合前に泊まっていたホテルのバイキングでは、自分の好きな食べ物からとるのではなく、栄養のバランスが偏らないように意識して、苦手な食べ物も克服することができた。
また、大久保くんはこの講座を受けて、自分のやるべきことが明確になったと話す。「試合前はなるべくお米をたくさん食べてエネルギーを蓄えるとか、試合後はなるべくビタミンを取るとか、講座を受けて食生活を変えてみたら、試合後の疲れの抜けが全然違った」という。
岩本監督は、講座後の生徒の行動に意識の変化を感じたという。講座後は、プロテインを飲む回数を増やしたり、練習が終わった後すぐに食事を摂るようにしたりする姿があった。
「(国体予選で、1日に2試合あった日は)1試合目が終わった後、オレンジジュースを飲んで、すぐに弁当を食べて、2試合目に準備するのを、自分たちでやっていました。講座を受けたことで、意識づけの1つになっているのかなと思います。」日々の地道な積み重ねが鍵を握る身体づくり。その重要さを理解し、正しい知識も得た高校生たちの数年後の変化に期待をしたい。
「強さひきだす」“2人のプロ”からの指導
キャプテンの大久保選手は、「相手とぶつかって試合するのがハンドボールだと思うので、当たり負けないプレイや、当たり負けない身体づくりを意識するということが1番印象に残っている」。そして、「いつか自分も土井選手に成長した姿を見てもらえるような選手になれるように頑張りたい」と意気込みを語ってくれた。
岩本監督は、「選手にとって、土井選手は特別な存在で、先輩という実感はなかなか湧くことがない。しかし、今回の企画で、浦和学院からすごい選手が育ったということを彼らも感じられたのではないかと思う。この経験から、“自分にもチャンスがある”という気持ちを持ってくれたら嬉しい」と話す。さらに、土井選手に対して「生徒に本気で向き合ってくれて、現役の選手からアドバイスをもらえることは本当に貴重な機会だった」と感謝を述べた。栄養講座については、「普段僕ら(監督、コーチ)が日々言っていることかもしれないけれど、今回のプロジェクトでは専門の方から、エビデンスを示しながらお話しいただいたことで、身体づくりに悩む生徒にとって良いヒントになったんじゃないかと思っています」と振り返った。
技術面、メンタル面、日々の食生活に渡って、浦和学院ハンドボール部にプロ意識をもたらした今回の「『部活生の強さひきだすプロジェクト RiseUP』。土井レミイ杏利選手、栄養士の田中麻依子さん(株式会社 明治)の2人のプロからの指導をもとに、浦和学院セブンは日々実践を積み重ね、確実に彼らの『強さ』にしている。