神戸国際大付が関西学院との投手戦を制し、準決勝に進出した。第99回高校野球選手権兵庫大会準々決勝で1-0で勝利。エースの岡野佑大は関西学院を相手に3安打完封。初回に主砲・猪田和希の適時打で先制した1点を守り切った。■準々決勝で関西学院に1-…

神戸国際大付が関西学院との投手戦を制し、準決勝に進出した。第99回高校野球選手権兵庫大会準々決勝で1-0で勝利。エースの岡野佑大は関西学院を相手に3安打完封。初回に主砲・猪田和希の適時打で先制した1点を守り切った。

■準々決勝で関西学院に1-0で勝利「何とか守り切りました」

 神戸国際大付が関西学院との投手戦を制し、準決勝に進出した。第99回高校野球選手権兵庫大会準々決勝で1-0で勝利。エースの岡野佑大は関西学院を相手に3安打完封。初回に主砲・猪田和希の適時打で先制した1点を守り切った。

 好投を続けるエースをバックも最後までしっかりと堅守で支えた。1点もやれない緊張した空気の中、最終回はアウト3つがすべて内野ゴロ。そのうち2個は主将でもある田淵友二郎の守るショートに飛んできた。

「今日はよく飛んできました。1個(失策を)やってしまいましたけれど、何とか守り切りました」

 汗をぬぐう横で二遊間を組む二塁の後藤貴大もホッと胸をなで下ろしていた。

 後藤の中には今でも忘れられない場面がある。今春の選抜の東海大福岡戦。1-1で迎えた9回裏。1死一、二塁のピンチで併殺を狙ったショートへのゴロを田淵から受けた後藤が一塁へ悪送球。二塁走者が生還し、無念のサヨナラ負けを喫した。

■見直した録画映像「目をそらしてばかりではいけない」

 試合後、すぐにグラウンドに戻ったチームは、ミーティングを経てすぐに練習を開始。“悪夢”の余韻が冷めやらない、わずか数時間後だった。「あの時は捕球して上から投げてしまったというか…ワンジャックしてしまって悪送球になってしまったんです」と後藤。チームは強打にばかり注目されてきたが、昨秋に近畿大会を勝ち進んで来られたのは堅い守りがあったからだった。だが、それが崩れてしまってからの夏へのスタート。以降、同じ場面を想定して数えきれないほどノックを受けた。

 春の県大会が始まる頃になっても、当時の試合を録画した映像はなかなか目にすることができなかった。だが、「前を向いていくには、ずっと目をそらしてばかりではいけない」と同時の映像を見直し、自身の動きを確認。何がいけなかったのかをしっかり確認した。

「トスの速さなど、もう一度ちゃんと見直さないといけないと思って。今日の試合もあの時と同じ1点を争う展開だったので、しっかり守れたと思います」

 夏は特に負ければ終わり。そんな緊張感と隣り合わせの中、鉄壁の二遊間で次戦の準決勝も投手を盛り立てる。そしてもちろん、選抜の忘れ物を取り返すために再び聖地に立つことが今の2人の目標だ。(沢井史 / Fumi Sawai)