(写真:Getty Images) 22日にJリーグプレシーズンマッチ・仙台vs神戸がユアテックスタジアムで開催され、今夏に神戸に加入したポドルスキが実戦デビュー。[4-4-2]の2トップの一角で先発すると45分間プレーし、1アシストを記録…


(写真:Getty Images)

 22日にJリーグプレシーズンマッチ・仙台vs神戸がユアテックスタジアムで開催され、今夏に神戸に加入したポドルスキが実戦デビュー。[4-4-2]の2トップの一角で先発すると45分間プレーし、1アシストを記録した。試合は90分間を2-2で終え、PK戦の末神戸が勝っている。この原稿ではポドルスキのパフォーマンスに注目した。

スルーパスで鮮烈アシスト

 開始から1分も経たないうちに、ポドルスキは「最初にそういうチャレンジをすることは考えていた」と、得意の左足でミドルシュートを放った。初お披露目の観客を沸かせるには十分な挨拶代わりとなったが、連係の中でこの武器を生かすのはこれからというところ。ただ、34分にタイミングよく仙台最終ラインのズレを逃さずにスルーパスを通して渡邉の追加点をアシストするなど、45分の出場で何度か個人技をアピールすることはできた。

対人守備の強さも発揮

 ポドルスキが出場した45分間はほとんどが神戸ペースで進んでいたために、守備に追われる場面が目立ったわけではない。強烈なプレッシャーを前線から掛け続けていた、というわけでもない。しかし、守備に厳しいネルシーニョ監督が「守備のところも最低限のところを意識してやっていた」と評価したように、相手のパスコースを消すポジションを取って仙台の攻撃を鈍化させるところも少なくなかった。1対1の守備で強さを見せる場面もあった。

サイドやトップ下の起用も?

 神戸が[4-4-2]を採用したこの試合では、ポドルスキは渡邉とともに2トップを組んだ。ネルシーニョ監督が「少し下りてくる自由を持たせた」と明かしたように、

1.5列目的なポジションをとることも多く、34分のアシストの場面では、引いた位置から渡邉の飛び出しを感知してスルーパスを通している。これまで経験してきた[4-2-3-1]のトップ下や、左サイドハーフとしての起用も、複数のフォーメーションを使い分けるネルシーニョ監督の下では考えられるだろう。

集中できる環境作りも必要か

 自ら「まだ100%ではない中でも、しっかりプレーできて良い準備ができた」と振り返ったように、フィットはこれから、というところ。J1次節の大宮戦を一つの山にしつつ、「一人ではプレーできないので、周囲とのコミュニケーションをしっかりとることが、求められている」と少しずつ連係を深めている段階だ。また、スター選手の宿命か、さまざまな形でのメディア対応が続いている。リーグの再開を前に、今まで以上に試合に集中できる環境作りも必要になるかもしれない。

文・板垣 晴朗