マーリンズのイチロー外野手は昨年8月7日の敵地ロッキーズ戦で三塁打を放ち、史上30人目のメジャー通算3000本安打を達成した。現役選手として唯一の大台到達だったが、背番号51に続き、レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手、エンゼルスのア…

マーリンズのイチロー外野手は昨年8月7日の敵地ロッキーズ戦で三塁打を放ち、史上30人目のメジャー通算3000本安打を達成した。現役選手として唯一の大台到達だったが、背番号51に続き、レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手、エンゼルスのアルバート・プホルス内野手が通算3000安打達成を射程内に捉えている。

■同僚時代の忘れられないエピソード「打撃練習で金属バット」

 マーリンズのイチロー外野手は昨年8月7日の敵地ロッキーズ戦で三塁打を放ち、史上30人目のメジャー通算3000本安打を達成した。現役選手として唯一の大台到達だったが、背番号51に続き、レンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手、エンゼルスのアルバート・プホルス内野手が通算3000安打達成を射程内に捉えている。

 ベルトレは24日(日本時間25日)の本拠地マーリンズ戦で4安打を放って通算2993安打とし、金字塔達成まで残り7本と迫った。イチローは、かつてマリナーズで同僚だった三塁手がマイルストーンに迫る大きな要因について「優秀なディフェンスありき」という独自の見解を示した。MLB公式サイトが報じている。

 イチローとベルトレは、マリナーズで2005年から09年までチームメートとしてプレーしていた。自身に続く3000安打達成に近づくベテラン三塁手について「彼は守備がいい選手だと思っています。だからこそ、ここまで長くプレーし続けていられるんだと思います」と話し、守備があってからこそ打撃での大記録が叶うのだという持論を語ったそうだ。

 自身もゴールドグラブ賞10年連続受賞の経験を持つイチローだが、メジャー20年目のシーズンを迎えたドミニカ共和国出身のベルトレも、実力者が揃う三塁で5度ゴールドグラブ賞を受賞し、2011年から制定されたファン投票で守備の名手を選ぶプラチナムグラブ賞も2度獲得している。38歳を迎えた今季も、三遊間を抜けそうな当たりに横っ飛びで食らいつく美技を披露するなど、プレーの質は衰えることを知らない。

■3000安打に至る最終局面の違い「彼は毎日試合に出るけど、僕は違った」

 ともに国外からアメリカに渡った2人だが、ここに至るまでの道のりは違った。特に、3000安打に至る最終局面は大きく異なる。イチローは「彼の通ってきた道と僕が通ってきた道を比べることはできません。なぜなら、彼は先発ですから。彼は毎日試合に出るけど、僕は違った。代打や途中出場ばかりでしたから」と語り、両者の置かれた状況の違いについて分析したという。

 その一方で、マリナーズの本拠地セーフコフィールドで一緒にプレーした日々の中で、ベルトレに関する忘れられない思い出があるという。

「セーフコで、彼と(リッチー)セクソンは金属バットで打撃練習していたんですよ。僕はプロとして長いこと、26年、プレーしています。それでも、打撃練習で金属バットを使う人を見たことがないですね」

 プロとなれば使うのは木製バット。長いプロ生活を送る“レジェンド”でも、高校野球などで用いられる金属バットを試合前のバッティング練習で使う選手は珍しかったようだ。試合前にプロ意識の高いルーティンを続けることでも有名なイチローにとって、マイルストーンに迫る好打者の独特の準備が、今でも忘れられないようだった。(Full-Count編集部)