今週は東京競馬場で、第71回府中牝馬S(GII、芝1800m)が行われる。秋の女王決定戦・エリザベス女王杯の前哨戦として施行される一戦。昨年の勝ち馬イズジョーノキセキ、悲願の初重賞制覇を狙うディヴィーナをはじめ、府中を舞台に激戦が繰り広げら…

今週は東京競馬場で、第71回府中牝馬S(GII、芝1800m)が行われる。秋の女王決定戦・エリザベス女王杯の前哨戦として施行される一戦。昨年の勝ち馬イズジョーノキセキ、悲願の初重賞制覇を狙うディヴィーナをはじめ、府中を舞台に激戦が繰り広げられそうだ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬13頭の全頭診断を行う。

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府中牝馬S2023全頭診断

・アンドヴァラナウト

昨年のこのレース3着馬。当時の上位馬がGI3勝馬ソダシと有馬記念4着馬イズジョーノキセキなら上々の内容だ。エリザベス女王杯以降は不適条件が続いているが、芝1800mは【0.1.1.0】と安定。1週前のCWは自己ベストを更新しており、休み明けでも軽くは扱えない。

・イズジョーノキセキ

こちらは昨年のこのレース勝ち馬。当時はロスなく進出した鞍上のファインプレーも光ったが、ソダシを下したのはフロックではないだろう。直線の長い芝1800m戦は【3.2.1.2】と好走多数。当時から2キロの斤量増で勝ち切れるかはどうかも、ノーマークにはできない。

・エリカヴィータ

復調気配がうかがえた前走だが、当時から休み明けかつ斤量増での参戦。馬券内突入は容易ではないだろう。

・コスタボニータ

前走クイーンSは3着と好走。当時は最内枠の受けた感があり、タフな洋芝もこの馬にマッチした印象だ。翻って、今回は切れ味勝負が濃厚な東京芝1800m。上手く立ち回れたとしても勝ち切るイメージは浮かばない。

・シンリョクカ

秋華賞ではなく、こちらを選択した3歳馬。GI2着馬に斤量53キロはプラスと言えるし、秋の東京芝で勝ち上がっている点も見逃せない。サトノダイヤモンド産駒は神戸新聞杯をサトノグランツが勝利。サトノダイヤモンド自身が3歳秋で本格化を迎えた馬でもあり、上位争いを期待したい。

・ストーリア

夏競馬以来の実戦となる馬。前走下したアドマイヤハダルが毎日王冠4着なら前走レースレベルも保証されそうだ。5走前に当舞台で惨敗を喫している点は気がかりも、何らかの印は必要か。

・ディヴィーナ

重賞で連続2着と惜しい競馬が続く近走。すべてマイル戦と距離適性としてはベスト条件とは言い難いものの、左回りに絞ったローテーションには好感が持てる。近走はすべて1分32秒台で走破しているように、高速馬場適性はメンバー中随一。目下の充実ぶりなら1800mをこなしても不思議ではない。

・ファユエン

2度使われた東京芝1800mはいずれも馬券外。厳しい。

・フィアスプライド

2走前の芝1800mで9着だった馬が、前走芝1600mは4着。現状はマイルが合っている印象だ。今回がベスト条件とは思えない。

・プレサージュリフト

関屋記念を使われる予定が、夏負けの影響で回避。秋の東京開催まで待機することとなった。コンディション面が心配されるところだが、中間の追い切りは秋華賞に出走予定のヒップホップソウルと併入。仕上がりとしては悪くなく、左回りの成績【2.0.2.1】を考えると一定レベルの評価は必要だろう。

・ライラック

重賞での馬券内は右回りに限定。ここは次走エリザベス女王杯の叩き台と捉えたい。

・ルージュエヴァイユ

牡馬相手の前走エプソムCで2着。ジャスティスカフェの切れ味に屈したものの、果敢に先行する形で連対をはたした。実績は申し分なく、秋の東京芝は【2.0.0.0】と負け知らず。再度の好走を警戒する。

・ルージュスティリア

惨敗からの立て直しを図った前走中京記念。勝ち馬が逃げ切る展開を上がり3F最速で3着なら決して悲観する内容ではない。過去の戦績からマイルがベストの印象も、何らかの印は必要か。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年10月12日 18:00公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家 競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。