9月の欧州シリーズではドイツに4−1、さらに10人のスタメンを入れ替えたトルコ戦も4-2で勝利と結果を出した。カタール…
9月の欧州シリーズではドイツに4−1、さらに10人のスタメンを入れ替えたトルコ戦も4-2で勝利と結果を出した。カタールW杯後の3回のシリーズで”第二次・森保ジャパン”のベースはかなり固まってきたが、ここからチームのさらなるベースアップとともに、オプションを増やしていくことがW杯のアジア二次予選やアジアカップ、さらに先につながる。
メンバー発表の段階では前回シリーズからGK中村航輔(ポルティモネンセ)とシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、フィールドでは鎌田大地(ラツィオ)、堂安律(フライブルク)、森下龍矢(名古屋グランパス)が外れ、代わりにGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)と前川黛也(ヴィッセル神戸)、フィールドでは中山雄太(ハダーズフィールド)、南野拓実(モナコ)、旗手怜央(セルティック)の3人が復帰。いわゆる”サプライズ”と呼べるようなフレッシュな選出はなかった。
しかし、そこから前田大然(セルティック)がけが、三笘薫(ブライトン)が体調不良のため辞退となり、スイスからベルギーの名門に移籍し、活躍中の川辺駿(スタンダール・リエージュ)が追加招集で復帰、ドイツ2部でブレイクしている奥抜侃志(ニュルンベルク)が初招集。結果的に7人のメンバーが入れ替わりとなり、フレッシュな構成となった。特に注目したいのが二列目だ。
カタールW杯で主力を担った鎌田と攻撃の中心として期待された三笘、さらにカタール後に南野から10番を引き継いだ堂安がおらず、FWとサイドアタッカーを兼任してきた前田もいない状況で、いやがおうにもフレッシュな組み合わせになる。ポジティブに捉えるなら、固定的なメンバーに縛られず、オプションを増やすチャンスだ。
■南野拓実が感じていた「悔しい気持ち」
キーマンは南野拓実だろう。モナコで今シーズン3得点3アシスト。ザルツブルク時代の南野をよく知るアドルフ・ヒュッター監督のもと、2シャドーの主力としてリーグアンの首位クラブを牽引している。無得点に終わったカタールW杯のあと、代表から遠ざかっていたが「選ばれてない間の期間に悔しい気持ちとかありましたけど、でも選ばれたからには、ここに来たからにはしっかり代表のためにプレーするって気持ちは変わらない」と語る。
森保監督はメンバー発表の段階で、4-2-3-1ならトップ下、4-1-4-1ならインサイドハーフで南野を起用することを示唆していたが、現在の状態を考慮して選外となった鎌田や堂安に加えて、左サイドの主力である三笘が辞退、さらに追加招集の奥抜も体調不良で、カナダ戦の2日前の練習を欠席した。そうした状況で浮上してきたのが2列目の左サイドだ。
”第一次・森保ジャパン”でも経験のあるポジションだが、成長い著しい久保建英(レアル・ソシエダ)と組んだ場合に、どういった相乗効果を生み出すかは未知数であり、だからこそ楽しみでもある。
その二人が左と中央で組んだ場合、右サイドの伊東純也(スタッド・ランス)との関係性も注目ポイントになる。かつて鎌田、南野、伊東で2列目を組んだときは鎌田と南野が近い距離で絡み、右から伊東が持ち前の突破力や鋭い飛び出しで違いを生み出す、非対称な関係が強みになっていた。それに似た関係になるかもしれないが、伊東も当時よりプレーの幅を広げており、相手ディフェンスにとって対応しにくいセットになりそうだ。左に中村敬斗(スタッド・ランス)が入るケースは南野、伊東、中村というリーグアンで活躍するトリオの構成になる。
■久保建英を右に回す可能性も
伊東が「その可能性もなくはないかなと思うので。今調子は悪くないですし、そういうところを出せればいいかなと思います」と語るように、所属クラブで同僚の伊東と中村を南野が中央からどう生かすのかは見どころだ。
もちろん今回のメンバー構成を考えれば久保が右サイドに入るケースも考えられる。その場合は左利きの久保が中に流れて南野と絡むことが多くなるので、左は中村がトルコ戦のようにファーサイドからフィニッシュに絡んだり、縦のドリブルを仕掛けたりといった役割がアクセントになる。体調が回復すれば奥抜が左から鋭く切り込むプレーで、フレッシュなアピールに期待したいところだ。
(取材・文/河治良幸)
(後編へ続く)