秋華賞(3歳牝・GI・芝2000m)の最重要ステップレースといえば、トライアルのローズSが知られる。しかし、近年はめっきり存在感が薄れている。過去27回のうち、約半分の13回で勝ち馬を送り出しているが、近年はオークスから直行する馬が増え…

 秋華賞(3歳牝・GI・芝2000m)の最重要ステップレースといえば、トライアルのローズSが知られる。しかし、近年はめっきり存在感が薄れている。過去27回のうち、約半分の13回で勝ち馬を送り出しているが、近年はオークスから直行する馬が増えたこと、さらに16年から紫苑Sが重賞に格上げとなったことが影響して、レースレベルが低下傾向。ローズSをステップに秋華賞を制した馬は15年のミッキークイーンが最後、両レースを連勝した馬となると12年のジェンティルドンナまで遡らなければいけない。

 今年はローズS出走馬から4頭が登録している。最も注目したいのは7番人気で勝利したマスクトディーヴァ(牝3、栗東・辻野泰之厩舎)。展開が向いた面はあったものの、1分43秒0の日本レコードでの差し切りはインパクトがあった。どちらかといえば広いコースが合いそうなタイプなので、京都芝2000mへのコース替わりがカギとなりそうだ。

 3着のマラキナイア(牝3、栗東・吉岡辰弥厩舎)はレース運びに幅があって、相手なりに走れそう。体型や血統から、初の2000mがポイントとなる。12着のコンクシェルは豊富なキャリアが武器だが、逆に言うと使い詰めなので上積みはどうか。14着のラヴェルはアルテミスSの覇者で、唯一リバティアイランドに先着した経験がある馬。折り合いがカギだが、うまく噛み合えば上位進出があっても不思議ない。

 8年ぶりにローズS組の勝利なるか。もちろん、期待大はマスクトディーヴァ。初対戦となるリバティアイランドにどこまで食い下がれるか、あるいは大金星まであるのか、要注目の1頭であることは間違いない。