ラグビーのリーグワン1部、リコーブラックラムズ(BR)東京は世田谷区に拠点を持つ1953年創部の古豪です。フランスで開催中のワールドカップ(W杯)日本代表にFWアマト・ファカタバ選手(28)を送っています。チームメートのSH高橋敏也選手(…

 ラグビーのリーグワン1部、リコーブラックラムズ(BR)東京は世田谷区に拠点を持つ1953年創部の古豪です。フランスで開催中のワールドカップ(W杯)日本代表にFWアマト・ファカタバ選手(28)を送っています。チームメートのSH高橋敏也選手(29)に、見どころを語ってもらいました。

 SHはラグビーで最も多く球に触れるポジションです。映像で見ると、誰にパスをすれば前進できるか分かりやすいのですが、実際はそう簡単ではありません。

 パスを投げる前に、密集の中にある球の状態を見定めないといけない。SHは結構ここに気を取られます。その上で敵味方のポジションを見て誰にパスをするか、自分で走るか、キックするかを決める。視野を広げたり狭めたりしながら、見た情報を瞬時に判断する力が必要になります。

 適切な判断力を身につけるには、試合経験を積んでどんな状況でも心に余裕を持ってプレーする必要があります。日本代表の流大(ながれゆたか)選手(東京サントリーサンゴリアス)は国際経験が多く、W杯でも余裕を感じます。チリ戦でアマトのトライにつなげた一連のパスさばきはSHのお手本でした。奥にあるスペースを見つけて蹴り込む技術もうまい。僕は左足のキックが武器なので、流さんのプレーを意識して練習に取り組んでいます。

 グラウンドを俯瞰(ふかん)する力を身につけるには、幼少期に色々なスポーツをやるのがいいと思います。サッカーやバスケットボールは前にパスできるので、グラウンドやコートの奥行きを見る感性を養えます。

 1年前の夏は日本代表候補として合宿に参加していました。あの時、僕と同じように試合に出られなかったジョネ・ナイカブラ選手(東芝ブレイブルーパス東京)が今、大舞台で力を発揮している。リーグワン終了後に代表に選ばれることを意識しながら日々を積み重ねていきたいです。

 代表のみんなはプロとして立ち振る舞いが見事でした。試合に出られないことが決まっても「なぜ自分が選ばれないのか」という不満を引きずって表に出すことはなかった。当たり前に全員がすべき役割をこなしていた。そういうチームだからこそ、また代表に呼ばれたい。日本代表は小学校の時からの夢です。支えてくれた皆さんに恩返ししたいし、今まで頑張ってきた結果として夢を形にしたいと強く思っています。

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