現地時間9月30日、ラ・リーガ第8節が行われ、サッカー日本代表の久保建英が所属するレアル・ソシエダが、3−0でアスレテ…

 現地時間9月30日、ラ・リーガ第8節が行われ、サッカー日本代表久保建英が所属するレアル・ソシエダが、3−0でアスレティック・ビルバオを3−0で下した。ソシエダの本拠地レアレ・アレナがお祭り騒ぎとなった中、中継カメラに抜かれたビルバオサポーターの姿が話題となっている。

 スペイン北部のバスク州の2大クラブ、「レアル・ソシエダ」と「アスレティック・ビルバオ」によるバスクダービーは、世界中に幾多もあるダービーの中でも特殊であり、熱狂的でありながらも、両チームのサポーターが隣同士で座るなど、世界で最も仲が良い友好的なダービーマッチとして知られる。

 その伝統は今季も引き継がれていた。ソシエダが久保のゴールで2点をリードすると、後半21分にはキャプテンのミケル・オジャルサバルが3点目を奪う。すると、ソシエダのサポーターたちは、ピッチに背を向けて肩を組んで踊る恒例の“ポズナン・ダンス”で大盛り上がり。そのスタンドの様子を中継カメラが捉えると、青白の波の中で直立不動の赤白のユニフォームを着たビルバオサポーターが映し出されたのだ。

 まさに四面楚歌という状況であるが、ヒゲを蓄えたビルバオサポーターの男性は腕組みしながらも笑顔を浮かべ、周囲の盛り上がりを楽しんでいるようでもある。DAZNの解説を務めた安永聡太郎氏は「すごく面白い絵を抜きましたね」と笑いながらも「この映像世界中に回るでしょうね。いやあ、あの方持ってるなあ」と感心するコメントを残した。

■「笑顔なのが素敵」

 この映像は瞬く間に拡散され、DAZNの日本語公式エックス(旧ツイッター)でも改めてこのシーンが投稿されると、ビルバオサポーターに同情しながらもバスクダービーの伝統に敬意を払う以下のようなコメントが寄せられた。

「これは笑った。いい笑顔」
「笑顔なのが素敵 こんな風景があるなんて信じられない」
「バスクダービーならではの光景」
「サポーター同士が仲良い証拠 どのクラブもこうなって欲しい」
Jリーグが目指す安心安全なスタジアムてこういうの?熱狂的なものと安心安全な楽しさは両立できるってこういうの?」

 試合は3−0でソシエダが勝利したが、敗れたビルバオのサポーターの中に“悔しさ”はっても“憎しみ”はない。解説した安永氏も改めてエックス上で「この男性の何があっても揺るがぬフットボール愛 チーム愛 私も先ずは家族へ そしてフットボールへ」とコメント。最近、Jリーグではサポーター関連の暴力行為や小競り合いなどが問題となっているが、改めてサッカーの本質、理想を見た瞬間だった。

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