メイウェザー(右)の愛弟子として注目されたモートンが、打倒・井上(左)をぶち上げた。(C)Getty Images ボクシング界で注目を集める神童カーメル・モートン(米国)が鮮烈なプロデビューを飾った。現地9月30日に行われたスーパ…

メイウェザー(右)の愛弟子として注目されたモートンが、打倒・井上(左)をぶち上げた。(C)Getty Images

 ボクシング界で注目を集める神童カーメル・モートン(米国)が鮮烈なプロデビューを飾った。現地9月30日に行われたスーパーフェザー級4回戦でエゼキエル・フローレス(米国)を1回TKOで撃破した。

【動画】異例のデビュー戦で鮮烈TKO! 17歳の神童モートンの猛ラッシュ

 異例の初陣だった。舞台となったのは、現地9月30日に米ラスベガスのTモバイルアリーナで行われた興行のメインイベント直後の一戦だ。

 この日、メインマッチでは世界4団体統一スーパーミドル級タイトル戦で、WBA&WBOスーパー、WBC、IBF世界同級統一王者の“カネロ”ことサウル・アルバレス(メキシコ)が、WBA&WBOスーパー、WBC、IBF世界スーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロ(米国)と対戦。男子ボクシング史上初となる現4冠王者同士のメガマッチが組まれた。そんな珠玉の対戦の余韻が残るリングに17歳は立った。

 相手となったフローレスはキャリア4戦ながら無敗にして3KOを誇る実力派。だが、元世界5階級王者フロイド・メイウェザーJr.(米国)が「彼は偉大になる運命なんだ」と太鼓判を押すモートンは、さすがのポテンシャルを披露。初回にダウンを奪うと、直後に高速ラッシュで畳みかけてTKO勝ちを収めた。

 現地メディアでも「メイウェザーの愛弟子」として注目を集めた神童・モートン。全米アマチュア王座を18度も戴冠した才能を見せつけるプロデビュー戦を終えた17歳は、まさに余裕しゃくしゃく。試合後には自信を漲らせた。

 メインマッチでカネロに敗れたチャーロの後に会見場に登場したモートンは、米スポーツ専門局『ESPN』なども中継した場で、WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者である井上尚弥(大橋)の名を口にし、自らの野心をぶち上げた。

「イノウエは間違いなく良い選手。技術があって、速いし、何よりも強い。ただ、僕は彼よりもずっと大きく、ずっと優れた選手になれると思ってる」

 挑発的とも取れるが、この発言に至るには理由がある。それは試合前に世界ライト級の怪腕シャクール・スティーブンソン(米国)が、「スタイルはイノウエに似ているかもしれない」と自らについて語っていたからだった。そんな同胞スターの発言を記者から問われたため、モートンは井上について論じたわけである。

 いずれにしろ、流石はメイウェザーの愛弟子といったところだろう。デビュー戦後にキャリア25戦無敗22KOを誇る“モンスター”を越えると断言するあたりに、師匠譲りのビッグマウスぶりが感じられる。まだまだ伸びしろたっぷりの若き逸材がここからどう飛躍していくかは実に興味深い。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】「最盛期を彷彿とさせた」世紀の4団体王者対決を制した、衰え知らずのカネロに絶賛の嵐「あまりに簡単すぎた」

【関連記事】「偽善的だ」メイウェザーが井上尚弥に“難癖”をつけたワケ 英記者が指摘「イノウエの輝きを奪おうとしている」

【関連記事】タイソンも「凶悪だ」と認めた力でフルトンを圧倒! 井上尚弥の4階級制覇に米プロモーターも絶賛「弱点がない」