激しいレースを終え、池江を抱きしめる張。この二人の感動的な光景が話題となっている。(C)Getty Images 中国・杭州で開催されている第19回アジア競技大会。連日のごとくなにかとトピックを提供してくれている同大会にあって、競泳の池江璃…
激しいレースを終え、池江を抱きしめる張。この二人の感動的な光景が話題となっている。(C)Getty Images
中国・杭州で開催されている第19回アジア競技大会。連日のごとくなにかとトピックを提供してくれている同大会にあって、競泳の池江璃花子の泳ぎが感動を呼んだ。現地9月29日に行われた競泳女子50メートルバタフライで決勝に進出。優勝こそ逃したが、見事に銅メダルを獲得。今大会最後のレースで表彰台に立ったのだ。
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まさにタッチ勝負で表彰台に滑り込んだ。白血病の公表から5年もたたずに国際舞台に戻り、熾烈なレースを展開する池江の奮闘には、ライバルも涙なしではいられなかった。
メダルを授与されたセレモニーの直後だった。25秒10の大会新記録でレースを制し、大会6冠を達成した張雨霏（中国）が涙ながらに池江と抱擁。レース前に「彼女がプールにいるだけで奇跡なんです。それは私たちの誰にとっても励ましになる」と語っていた中国のエースは、長年ライバルとして切磋琢磨してきた日本人に敬意と友情を示した。
中国メディア『捜狐』などの取材に応じた張は、涙した理由について「実は表彰式で彼女の名前がアナウンスされ、彼女を見たときに、本当に凄いなと思って、泣きそうだったんです」と回想。そして、池江を抱擁した舞台裏を明かしている。
「それでも私は『これは生中継なんだから泣くわけにはいかない』と表彰式では我慢したんです。でも、セレモニーが終わったときに彼女が泣きながらコーチに抱きついているのが見えて、私はもうこらえることができませんでした。最後は自然と彼女のところにいっていましたね」
さらに「彼女はここに来てから、翌日から体調を崩して、状態が悪いと聞いていました。だから、私もとても残念で悔しい想いでした」とライバルを慮った張は、「だけど、最後の試合の日についに表彰台に上がることができた。これは本当に凄いと思います。本当に凄い、本当に凄いんです！」と繰り返した。
水泳の厳しさをともに分かち合ってきた。ゆえに張には、闘病生活から復活する池江の偉大さが身に染みてわかるのだろう。トップスイマーが見せた熱き友情は、大きな感動を呼んだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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