激しいタックルを炸裂させ、退場処分となったラム(11番)。この裁定がチームに小さくない影響をもたらした。(C)Getty Images 日本の前に力及ばずに痛恨の敗北を喫したサモア。世界ランク12位の強国には、国内外で悲観の声が広ま…

激しいタックルを炸裂させ、退場処分となったラム(11番)。この裁定がチームに小さくない影響をもたらした。(C)Getty Images

 日本の前に力及ばずに痛恨の敗北を喫したサモア。世界ランク12位の強国には、国内外で悲観の声が広まった。

 現地9月28日、フランス・トゥールーズで行なわれたラグビーワールドカップ(W杯)2023の1次リーグD組の第3戦は、日本代表とサモア代表が対決。1勝1敗で迎えた両国による激闘は28-22で前者が制し、決勝トーナメント進出に王手をかけた。

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 13分にフランカーのピーター・ラブスカフニのトライで幸先よく先手を取った日本は、サモアの強力なモールに苦戦するも、持ち味の粘りと素早い展開から3トライを奪取。追いすがる相手を振り切り、今大会2勝目を収めた。

 一方でショックを隠し切れないのが、サモアだ。ノーサイドのホイッスルが鳴ると、選手たちは揃ってグラウンドで倒れこんだ。その姿が敗北の重みを物語った。

 フィジカルを全面に押し出したパワーで、日本をねじ伏せようとしたサモア。しかし、要所で連携ミスを連発。47分にはWTBベン・ラムが危険なタックルを犯すと、「バンカーシステム」の検証結果によりイエローカードからレッドカードに格上げ裁定。これによって数的不利となり、自らの首を絞める形となった。

 肉弾戦に持ち込むまでは良かった。それでも局面で精彩を欠いたサモアは、日本との差を広げられた。そんな巨漢戦士たちには厳しい評価が下されている。英ラグビー専門メディア『Planet Rugby』は寸評採点記事を掲載。退場の憂き目にあったラムにチーム最低の「3」を与え、「彼のレッドカードにより、サモアは大きな代償を払わされた」と糾弾。「常に反則すれすれだったタックルで退場処分を受けただけでなく、日本陣内22メートルでスクラムからのボールを落とした。ウインガーにとっては忘れられない夜となった」と断じた。

 また、イタリアのラグビー専門サイト『ON RUGBY』は「この日本戦の敗北によって、サモアの上位進出はより厳しいものになった」と指摘。ミスばかりが悪目立ちした試合内容についても「最悪というべき規律の乱れが大きな影響を与えた。後半に入ってからのベン・ラムの退場は致命的なものだと言える。彼らの努力はこれによって無駄となった」と指摘した。

 サモアに見事に退け、自力での8強進出に前進した日本。次戦は現地10月8日のアルゼンチン戦だ。史上初の4強を目指すブレイブ・ブロッサムズ(ラグビー日本代表の愛称)にとって緊張感のある日々は続く。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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