9月20日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズの一戦で、3年連続となるリーグ優勝を果たしたオリックス。そんなオリックスの連覇達成に貢献した面々のうち、“新戦力”ということでいえば、やはり山下舜平大の存在…

9月20日に京セラドーム大阪で行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズの一戦で、3年連続となるリーグ優勝を果たしたオリックス。そんなオリックスの連覇達成に貢献した面々のうち、“新戦力”ということでいえば、やはり山下舜平大の存在が大きいだろう。

【映像】160キロを出す美しい投球フォーム

今季、3月にWBCが開催されたこともあり、開幕投手を任されたのは、エース・山本由伸ではなく、この試合が1軍初登板となる山下。当然、プロ3年目での初登板、しかもそれが開幕戦ともなれば、本来の持ち味が発揮できぬままにマウンドを降りることになったとしても、誰も責めないだろうが、蓋を開けてみれば、5回1/3を投げて4安打、1失点、7奪三振と堂々の投球を披露。勝ち負けこそつかなかったものの、その存在感を大きく示すこととなった。

その後、山下は、4月11日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でも5回を2安打無失点、10奪三振と圧巻の投球でプロ初勝利を挙げると、ストレートにカーブ、そしてオフに野茂英雄氏からレクチャーされ、今季から投じるようになったばかりというフォークを武器に、順調に勝ち星を積み重ね、6月28日に京セラドーム大阪で行われた千葉ロッテマリーンズ戦では、当時、ハーラー単独トップとなる7勝目を挙げるまでに。

さらに8月26日に京セラド-ム大阪で行われた千葉ロッテマリーンズ戦では、自己最速となる160km/hもマークし、大きな注目を集めることとなった。8月26日のロッテ戦で途中降板し、翌日に登録を抹消したままとなっていたため、それ以降の登板はないながらも、9月23日終了時点で、16試合に先発し、95回を投げて9勝3敗、防御率1.61、奪三振101と、規定投球回数に満たないながらも、堂々たる成績を残している山下。
昨季、オリックス投手陣の中で、二桁勝利を飾ったのは、山本由伸に宮城大弥と、左右の二枚看板のみであったことを思えば、今季、両投手に加え、9年目の山﨑福也と山下がともに9勝で追いかける形となり、“先発三本柱”を超えた“先発四天王”と化しているのは、長いシーズンの戦いという意味では、非常に大きかったといえるだろう。さらにリリーフ陣もより磐石なものとなっていることを加味すれば、残り試合があるとはいえ、昨季の458失点(リーグ2位)よりもさらに少ない375失点(リーグ1位)、防御率も2.84(リーグ2位)から2.62(リーグ1位)と、より良い投手成績となっていることも頷けるところだ。

23日付で、腰椎分離症と診断されたことが球団から発表され、復帰は早くともCS最終ステージ以降になるとの声もある山下だが、既に多くのプロ野球OBが、近い将来、オリックスの屋台骨を担うだけでなく、WBCの主戦級になると太鼓判を押すほどの逸材。しばらくは、その回復と復帰に期待したいところだ。

(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)