2016年の4回阪神開催の最終週に行われた芝2000mの新馬戦。ここで圧倒的人気を集めたのが、ディープインパクト産駒のサトノアーサー。結果は勝利しているが、同着だったこともあり、単勝配当は1.1倍。続く1勝クラスのシクラメン賞も単勝1.…

 2016年の4回阪神開催の最終週に行われた芝2000mの新馬戦。ここで圧倒的人気を集めたのが、ディープインパクト産駒のサトノアーサー。結果は勝利しているが、同着だったこともあり、単勝配当は1.1倍。続く1勝クラスのシクラメン賞も単勝1.6倍の支持に応えて1着。無傷の2連勝で3歳を迎える。

 ただ、きさらぎ賞、毎日杯と重賞で連続2着。なんとか日本ダービーには出走したが、結果は10着。秋は菊花賞に挑戦して11着という結果だった。古馬になってからはマイル路線を歩み、エプソムCと関屋記念で重賞を制している。

【9月30日(土) 阪神芝1800m】

◆インザモーメント(牡、父キズナ、母ディルガ、栗東・田中克典厩舎)

 母ディルガは矢作芳人厩舎で管理され、芝で2勝を挙げるにとどまったが、母となってからは5戦3勝で京都新聞杯3着という重賞実績もあるキズナ産駒のリビアングラス(栗東・矢作芳人厩舎)がいて、本馬はその全弟にあたる。

 同じく全姉で同厩舎で管理されるドリームアゲインは5歳で1勝クラスに在籍しているが「姉は気性の難しさがありますが、そういったところがなく素直ですね」と田中克典調教師。

 加えて「この血統はもう少し後になって良くなってくると思うんですが、そういった余地を感じさせながら、現状でも十分に動けそう」とのこと。

 実際、CWでの追い切りは素晴らしい動きを見せており、2週前追い切り、1週前追い切りに騎乗した鮫島克駿騎手(レースでも騎乗予定)も2週前より1週前の方が動きが良かったと手応えを掴んでいる。

◆アリスヴィクトリア(牝、父ロードカナロア、母ウィクトーリア、栗東・中内田充正厩舎)

 祖母ブラックエンブレム(父ウォーエンブレム)は2008年秋華賞でGIを制覇。母ウィクトーリアは2019年フローラSで重賞を制しており、本馬はその初仔となる。

 7月1日にノーザンファームしがらきから栗東へ入厩して、1週間も経たないうちにゲート試験を合格。その後、しがらきへ戻って調整。

 9月6日に栗東に再入厩すると、坂路での追い切りからスタートし、9月21日にはCWでの3頭併せ。その真ん中に位置して、内から追走してきたマテンロウゴールドには遅れたものの、外で先行していた古馬1勝クラスには追いついて先着。6F81.7秒と速い時計をマークしている。なお、鞍上は川田将雅騎手が予定されている。

【10月1日(日) 阪神芝2000m】

◆ガルデルクラージュ(牡、父ルーラーシップ、母ガルデルスリール、栗東・武英智厩舎)

 半姉に今年の紫苑Sで重賞を制したモリアーナ(父エピファネイア)がいる血統。本馬は3回小倉開催のデビューに向けて調整されていたが、軽い怪我があり、一旦予定が白紙になり、ノーザンファームしがらきへ戻っていた。

 9月7日に栗東へ再入厩して、9月16日には古馬1勝クラスと併せて先着。4F52.0秒の時計をマーク。9月23日にはCWで追い切られており、全体時計は6F87.7秒と遅かったものの、ラスト1Fは11.3秒。追い切りの内容自体は8月の時よりも良くなっている印象を受ける。なお、鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。

【10月1日(日) 中山芝1200m】

◆フィオライア(牡、父ファインニードル、母フルールシチー、栗東・西園正都厩舎)

 母フルールシチーは現役時代に同厩舎で管理され、芝で5勝を挙げている。本馬は三番仔になるが「上2頭も追い切りでは動いていましたが、体質的に弱いところもあって、いい結果が出ませんでした。でも、この馬は母と同じ秋の中山開催でデビューできるくらい、しっかりしていますよ」と西園正都調教師。

 9月7日のCWで新馬と併せたが、ゴール前で相手がついてこれなくなって、大差で先着。その6F時計は82.2秒と能力の高いところを見せた。

 その後は坂路での追い切りだが、先週21日はレースで騎乗予定の石橋脩騎手が跨って、古馬2勝クラスとの併せ馬に先着。時計も4F52.1秒、2F24.2秒をマークしており、CWでも坂路でも文句なしといった動きを見せている。

(取材・文:井内利彰)