<大相撲九月場所>◇十二日目◇21日◇東京・両国国技館 三段目・九十枚目・寛龍(荒汐)が序二段五枚目・琴大河(佐渡ヶ嶽)を突き落として3勝目を挙げた一番は、土俵際でもつれ合うように倒れ込んだ琴大河が左足を痛めるアクシデントに見舞われた。倒れ…
<大相撲九月場所>◇十二日目◇21日◇東京・両国国技館
三段目・九十枚目・寛龍(荒汐)が序二段五枚目・琴大河(佐渡ヶ嶽)を突き落として3勝目を挙げた一番は、土俵際でもつれ合うように倒れ込んだ琴大河が左足を痛めるアクシデントに見舞われた。倒れ込んだ直後、琴大河が「ぐあっ」と痛みに耐えるようなうめき声を上げると、一時館内が静まり返った。ファンからも「左ひざが内側に」「変な方向に」と心配の声が寄せられたが、両花道から土俵下に素早く駆け付けた関係者に介抱され、両脇を抱えられるように立ち上がった琴大河が車椅子に乗せられ花道を下がっていく際には、館内から安堵と激励の温かい拍手が送られた。
立ち合いから両力士が差し合ってまわしを探る展開は1分以上続いたが、膠着状態を破った琴大河が前に出ると、寛龍が土俵際で左からの突き落とし。形勢を逆転して勝ち星を挙げた。一方、敗れた琴大河は4敗目を喫した。
しかし、勝負が決する際にアクシデントが。突き落としに耐えるように左足で踏ん張った琴大河の左ひざが、全体重を支えるように内側に入り込んで土俵上についており、琴大河は苦悶の声を上げながら自らの左ひざに手を当てた。
行司軍配は寛龍に上げられたが、琴大河のただならぬ様子に気づいた寛龍は心配の表情を浮かべてしばし立ち尽くした。関係者が土俵下に駆け付ける中、土俵上では物言い協議が行われ、協議の結果「行司軍配は東方力士に上がりましたが、東方力士のかかとが先に出ているのではないかと物言いがつき、協議した結果、西方力士のひざが先についており、行司軍配どおり、東方力士の勝ちといたします」とするアナウンスが行われた。
物言い協議が終わるとほぼ同時に、関係者に支えられながら無事立ち上がった琴大河。その後、迅速に搬入された車椅子に乗せられ花道を下がっていくと、館内のファンからは温かい拍手が送られた。その後の取組直前には、西方の土俵上に大量のお清めの塩がまかれた。(ABEMA『大相撲チャンネル』)