今年も8月の鈴鹿サーキットで、19日・20日の2日間に渡り、「シマノ鈴鹿ロード2023」が開催された。ロードバイクを中心としたオンロードの夏の風物詩と呼べる超人気イベントは、今年で38回目を迎える。制限付きで開催された昨年から、参加者が2割…

今年も8月の鈴鹿サーキットで、19日・20日の2日間に渡り、「シマノ鈴鹿ロード2023」が開催された。
ロードバイクを中心としたオンロードの夏の風物詩と呼べる超人気イベントは、今年で38回目を迎える。制限付きで開催された昨年から、参加者が2割強増え、にぎやかなシマノ鈴鹿が帰ってきた。



真夏の鈴鹿サーキットで開催された「第38回シマノ鈴鹿ロード」

シマノ鈴鹿は、レースを主軸として開催されるイベントだ。ただし、その種類は非常に多様で、レベルや年齢などに応じて細かくカテゴリー分けされたレースが、初日は早朝から19時ごろまで、2日目も早朝から夕方まで、分刻みでびっしりと開催される。比較的本気度の高い個人ロードレースやタイムトライアルに加え、敷居の低い耐久レースも用意されている。参加料金も抑えられており、複数種目にエントリーする参加者も少なくない。

会場内には、完成車やサイクル用品、アパレルだけでなく、イベント、コスメ、グルメなど、多くのジャンルの出店ブースが並ぶ。2日目の終盤には、トップレーサーたちがホンモノのレースを展開する「クラシック」も開催。参加、観戦、試乗、ショッピングや食べ歩きなど、この会場内だけでも、さまざまな切り口で楽しめる総合イベントである。



多くの来場者がブースめぐりを楽しんだ



アスリート向けの高性能で使いやすい日焼け止めなど、会場ならではのブースも



スズカグルメも健在!

シマノ鈴鹿の会場オープンは早朝4時。1日を過ごす居心地のよい場所を確保したい参加者は、早朝から会場に集まってくる。
初日の土曜日。最初の種目は、シマノレーシングの選手が講師を務めた子ども向けの自転車教室「ウィーラースクール」。ちびっこから、小学生まで、多くのキッズライダーが参加した。スクールの歴史も長くなり、今では、かつて受講していた子どもの中から、プロ選手になるケースも出てきているという。モチベーションモ高く、講師の選手の模範演技を見つめる子どもたちの目が、とても印象的だった。



「日本一楽しい自転車教室」として人気のウィーラースクール



基本テクニックを楽しく学ぶ。ロードバイクで参加するキッズライダーも多かった

続いて、7時45分からは、一般層向けの中で、もっともレベルが高い「5ステージ・スズカ」の第1レースが始まった。ここには6名のチーム単位でエントリーし、距離の異なる3つのロードレースと、個人、チームのタイムトライアルで構成された5つのステージ(レース)を走るステージレースだ。



ステージレースに臨む「5ステージ・スズカ」。皆が狙うのは、スカイブルーの市松模様のリーダージャージ



レベルの高い戦いが繰り広げられる

プロのレースと同様、ステージごとの優勝と個人総合優勝があり、表彰式はステージごとに開催される華のある種目だ。各ステージ終了時に、首位の選手にはリーダージャージが贈られ、これを最後まで守った選手が、最終的な優勝となる。今年から18歳以下の最高位の選手に、「個人総合時間ジュニア賞」が贈られることとなり、目標がひとつ増えることになった。



リーダーチームはリーダーを守るべく、ステージを戦う。今年はステージ間でリーダーが動き、緊張感のある展開となった

エントリーするメンバーの多くは、フルタイムワーカーだが、この大会に向け、個々のトレーニングと、チームとして機能できるよう連携の準備を重ねて、仕上げて挑んでくる。ホビー層とは思えないレベルの高いステージレースが展開されるのだ。

次は、サーキットを二つに区切り、片方で1時間の耐久レースと、もう片方で小学生のレースや、パラサイクリストによる「ハンドサイクルエキシビジョン」など、環境をフルに利用し、多様な種目が展開された。



今年もハンドサイクルエキシビジョンが開催。パラサイクリストの走りは、迫力満点!



学年で区切り開催されるキッズレースは連日大人気



ロードバイクを乗りこなすキッズが増えた



キッズレースでもゴールスプリントが!

レースは、小学生とマスターズ(40代~60代以上)は年齢で、他は周回数や性別でレベル分けされている。ハイレベルを対象とした「エリート」もあれば、講習会とセットにされ、お試し感覚でレースに参加できるデビュー層向けの「体験レース」も。カテゴリー分けが細かいため、どんな層でも不安なく挑戦でき、楽しめるのが人気の秘訣だろう。



ベテランライダーのレースも。幅広い層がスズカを走った



ビギナーにも挑戦しやすいカテゴリーも設定された

さらに、「タイムトライアル」も、人気度急上昇だ。近年、一般層向けの開催が少ない種目だが、この大会では個人種目に加え、3~4名を1チームとしたチーム種目も企画されている。



声を掛け合い、思いを一つにし、サーキットを走る

かつては、空気抵抗を抑えた「タイムトライアルバイク」に乗り、「エアロヘルメット」をかぶったレーサーが臨む、本気の種目だったのだが、夏の思い出づくりにと、ノーマルバイクで気軽に参加するサイクリストも増えてきた。先頭交代が特徴的で、いっそうハードルが高い印象だった「チームタイムトライアル」がアツい。
聞けば、耐久レースにチーム参戦した場合、メンバーが交代で走るが、この種目は「皆で一緒に走れるから楽しい」のだそうだ。女子チームの参戦も年々増えており、スタート直前までリラックスした笑顔が広がっていたのが印象的だった。



あえてクラシカルなバイクを選ぶチームも



笑顔でチームタイムトライアルの出走番を待つ女子チーム。楽しいのが一番!



超人的なタイムをたたき出し、連覇した宇都宮ブリッツェン

チームタイムトライアルの最終盤には、プロチームも登場したが、宇都宮ブリッツェンが想像の遥か上を行くタイムを叩き出して優勝。プロの走りを間近で見られるのも、この大会の魅力である。



チームで参戦できる「2時間エンデュランス」は今年も大人気



選手交代エリアでは、随所に参戦を楽しむチームの和気あいあいとした光景が

多くのチームが参戦し、大いに盛り上がった2時間耐久レースが終わり、夕暮れの中、36レース目となる個人タイムトライアルの決勝が行われる。この表彰式をもって、1日目が終了した。



日没後に最終種目、個人タイムトライアルの表彰が行われ、長い1日目が終わる

画像:シマノ鈴鹿ロード

※シマノ鈴鹿ロード2023(後編)はこちら