9月19日に行われたACL第1戦を、川崎フロンターレはジョホールバルとのアウェイゲームで迎えた。8月8日に加入が発表さ…

 9月19日に行われたACL第1戦を、川崎フロンターレはジョホールバルとのアウェイゲームで迎えた。8月8日に加入が発表された元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスは、この試合に先発出場することで、川崎としては2試合目の出場となった。

 ポジションはもちろん、センターFW。初出場となった多摩川クラシコでは、そのフィジカルとテクニックを生かしたキープでチームに時間や勇気など多くのものをもたらした。

 それはアジアが舞台でも変わらない。国内リーグ21試合で20勝1分と無敗を誇るジョホールに対しても、その強さを発揮した。

 チームでの2試合目の出場で、早くもアジアが舞台――試合後、まずはその感想を聞くと、返ってきたのは「気持ちよくできた」という答えだった。そして記者に笑顔を見せると、次のように続けた。
「2試合目でチーム2勝目となったことは、非常に嬉しいです。今は2連勝してますけど、その前にはチームは苦しい中にあった中で、それでもチームが自信を少しずつ取り戻していっていることは重要だと思うし、ストライカーとしても大事なことだと思います。

 ゲームの中では、試合途中でレフェリーに抗議をして時間を稼いだ場面もあったんですけど、そういった自分の経験を生かしてチームメイトをサポートする、そして貢献することもアジアが舞台では大切だと思ったので、それを心がけました。そしてまた新加入でいますので、新しいエネルギーとスピリットを注入することも大事だと思います」

 かつてアジアチャンピオンズリーグで優勝とMVPを勝ち取った選手の経験と自信が詰まった言葉だった。

■「プレスをかけるべきでないときはどのように我慢するか」

 そして、ストライカーでありながら、守備の話を聞くこととなった。ゴミスは、「守備の時はどのようにしてプレスをかけるか、プレスをかけるべきでないときはどのように我慢するか、その声掛けをチームメイトにしながら合わせていくことは非常に大事だと思っています」と話すのだ。

 実際、ゴミスは試合中に周囲の味方選手を見ながらポジショニングを取り、そして、プレスのかけかたを変えていた。それはFC東京戦でも同様で、タイミングが合わなかったときに残念そうなリアクションを見せたこともあった。それも、プレスがうまくいかなかったときの「どう我慢するか」という考えを持っていることを考えれば、とても納得のでいるものだった。

 点を取れさえすればいいというエゴイズムはなく、その中にあるのはあくまでもチームとしての戦い方。そこで、攻撃面、あるいは守備面でコミュニケーションを多く取った選手がいるか聞いてみると、こう言葉を発した。

「特に誰ということではなく、全員とコミュニケーションを取ることが大事。それはレフェリーも含めてのこと。ここでアウェイゲームに勝つことは、簡単ではないんですけど、それをしようと、全員が素早く立ち位置を取って次に向かっていこうという姿勢も見られたのでよかったです」

 レフェリーとのコミュニケーションについて選手と同じように出てくるところも、世界を渡り歩いたストライカーの風格を感じさせるものだった。

■「チームの勝利のために貢献するというのは大事なこと」

 先述したように、まずは守備について話したのには理由がある。それは、この元フランス代表FWにとって“チーム貢献”という言葉が優先順位として高い位置にあるからだ。

「ゴールは決めてないですが、チームに貢献するために私は準備を重ねています。ゴールを決められなかったとしても、ボールをキープしたり守備で奔走するなどしてチームの勝利のために貢献するというのは大事なこと。

 チャンピオンズリーグというハイレベルなサッカーに対しては、そういった(フィジカルや守備での)準備をしておかなければいけないです。今日のジョホール戦は非常にタフなゲームでした。そして、この初戦で3ポイントを取って終わるということは非常に大事なことでした」

 自らの得点のためにむやみに前に走ったり、あるいは、ポジションを外れたりしないことで、チームとしてさらに力を発揮できる。だからこそ、「川崎の目標としている優勝に向けて、ACLでいい形でスタートができて良かった」とも笑うのだった。

 チームは試合翌日にマレーシアを飛び、24日のJ1リーグ戦に向けて動き出す。この試合は国立競技場で行われるため、多くの観客が訪れ、そして、注目を集める試合となる。多摩川クラシコ、ACL初戦というビッグマッチに連続しているゴミスにとって、次の試合も似たような試合となるが、泰然自若の構えを崩さない。

「僕にとっては毎試合がビッグゲームです。どの試合も勝利を求めて戦います。川崎はこの順位にいるべきではないですし、本来いるべき位置に川崎はいるべきだと思いますし、そのために、毎試合強く戦っているべき場所に戻りたいと思います」

 チームの最前線に立つ元フランス代表FWが、フロンターレを高みへと導く。

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