女子テニスで元世界ランク1位のS・ハレプ(ルーマニア)は12日、テニスの不正を監視することを目的とした機関 ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)から4年間の資格停止処分を受けたことに対しSNSでスポーツ仲裁裁判所へ訴える…

女子テニスで元世界ランク1位のS・ハレプ(ルーマニア)は12日、テニスの不正を監視することを目的とした機関 ITIA(国際テニス インテグリティ・エージェンシー)から4年間の資格停止処分を受けたことに対しSNSでスポーツ仲裁裁判所へ訴えると発表した。これに男子テニスで世界ランク243位のM・チリッチ(クロアチア)がメッセージを送った。
>>ハレプから禁止成分ロキサデュスタットが検出された理由と経緯<<
2022年10月21日にITIAは四大大会2勝を含むツアー通算24勝を誇るハレプがドーピング検査で陽性反応を示したことを発表。ITIAは同年9月の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)で採取した検体から使用が禁止されているロキサデュスタットが検出されたとした。
昨年10月の発表からハレプは一貫して禁止薬物の摂取を否定。コーチであるパトリック・ムラトグルー氏も無実を訴え続けてきた。約11ヵ月間にわたり聞き取り調査や更なる検査などをしたITIAは12日に結果を発表。暫定的な出場資格停止となった昨年10月7日(発表は21日)から換算して4年間の公式戦出場停止処分を決定した。
また、ITIAは昨年の全米オープンで検出された以外にもう1点不正があったと報告。それはアスリート・バイオロジカル・パスポートの不正に関することで、スポーツ選手から経時的に検体を採取し解析するこの方法で検査を進めるなか、ハレプから提出されたものに不正があったとした。具体的な不正内容は明文化されていないが、上記2点において4年間の出場停止処分が言い渡された。
ハレプはSNSで12日に声明を発表。今後も戦っていくことやスポーツ仲裁裁判所へ訴えることも明かした。
>>【ハレプの声明】<<
このハレプの投稿に男子テニスで元世界ランク3位のチリッチが返信し「強くあれシモナ(ハレプ)。彼らの判決は何の意味もない!」と応援のメッセージを送った。
グランドスラム女王で元世界1位の出場停止処分に対する波紋は、まだまだ広がりそうだ。