目は瞼、口は唇の開閉で潤いを補充しています。それぞれ涙と唾液で粘膜の乾きを防いでいる。回数はともかく“瞬き”は一瞬。お口をポカーンと開けっ放しにしていると、だらしなくていただけない印象を持ってしまいます。健康にも悪影響を及ぼす…

 目は瞼、口は唇の開閉で潤いを補充しています。それぞれ涙と唾液で粘膜の乾きを防いでいる。回数はともかく“瞬き”は一瞬。お口をポカーンと開けっ放しにしていると、だらしなくていただけない印象を持ってしまいます。健康にも悪影響を及ぼす可能性が高いのです。

目の粘膜(角膜や結膜)が乾くと痛み出す。いつも涙で潤すために瞬きします。涙は目にゴミが入ってしまった時に、外に流し出してくれる働きがあります。人間特有の「情動の涙」だってあります。年を取ると涙腺が緩みっぱなしのおじいちゃんやおばあちゃんもちらほら。

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お口の中も粘膜が広がっている。 “乾き”で目は痛むように、お口だってカラカラになって違和感を覚えるはず。涙の代わりに水分量を保っていられるのは、言わずと知れた“唾液”が分泌しているからですよね。

唾液の作用で私たちの健康は守られています。

・消化作用
酵素(アミラーゼ)によって消化を助ける。

・浄化作用
食べカスを洗い流す。

・緩衝採用
食物によって酸性に傾いた口の中を中性にする。

・再石灰化作用
歯から溶け出したカルシウムやリン酸を戻してくれる。

・抗菌作用
口腔内の細菌の増殖を抑制してくれる。(※1)

大型獣脚類の恐竜チラノザウルス(慣用名;Tレックス)で有名な肉食恐竜を思い起して下さい。おそらくみなさんの頭の中では、映画でよく見る牙を剥き出しにしている形相を思い浮かべていると思います。

けどなんか変じゃないですか?あれだけ大きな牙がしっかりと化石として残されているのです。普段あれだけ口をデカデカと開けていたら、口の中は乾き切ってカラカラ。牙の摩耗も進むはずです。

なのに、そうとも言えないほど整っている等の研究結果から、普段のチラノザウルスの仲間は口を閉じていたという学説が発表されました。(※2)

そうか!現存している化石には牙を覆い隠す唇は残っていませんよね。立派な牙を無防備に露出しているのは、あくまでも人間が化石から想像したイメージであって、口を閉じて乾燥から守っていたのかも知れない。

マスクの生活が長かったから、ついお口を半開きにしていませんでしたか?口を閉じないと口腔内は乾燥してしまう。口臭の原因菌は水溶性(※3)だから、お口の乾きは大敵です。

そもそもマスクの防臭効果を期待することが間違っている。口腔乾燥させないためにちゃんと口を閉じれば乾きを防ぐことができるはず。

3年間、マスクの下でだらしなく口を開けていたから、締りが無くなっている可能性があります。口の周りの口輪筋が弱っているのかも知れません。

気になるようだったらトレーニングしてみるのも良いのではないでしょうか。

潤沢な口腔内を維持しましょう。

【出典】
(※1)健検テキスト増補改訂第2版 唾液の減少は口の健康を妨げる
(※2)2023年4月23日読売新聞 くらしサイエンス
(※3)2023年4月27日読売新聞 くらし

[文:健康わくわくサイト]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 ~ 免疫検査を通しての患者様への想い ~ 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。