妊娠中でも体に負担をかけることなく、安心して楽しめるマタニティヨガ。最近では産院でも講座が開かれるなど、多くの方が触れる機会が増えています。妊娠中の身体の不快な症状をヨガの簡単なポーズと呼吸法で緩和することができます。また精神を集中するこ…
妊娠中でも体に負担をかけることなく、安心して楽しめるマタニティヨガ。最近では産院でも講座が開かれるなど、多くの方が触れる機会が増えています。妊娠中の身体の不快な症状をヨガの簡単なポーズと呼吸法で緩和することができます。また精神を集中することで、気持ちまでリラックスさせてくれる効果も。今回は、安産力をアップするポーズをご紹介します。
《目次:おうちでできる!マタニティヨガ》
[#1]深呼吸でリラックスする
[#2]腰の痛みをやわらげるポーズ
[#3]足のむくみを解消するポーズ
[#4]安産力をアップするポーズ
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臨月になったら始める、赤ちゃんが産道を通るための準備
お産のとき赤ちゃんは、自らの産まれようとする力とともに子宮の収縮に合わせてお母さんがいきむことで、狭い産道を進んできます。狭い通り道を緩みやすくし、骨盤周りの筋肉を柔軟にしておくことで産む力がアップします。
骨盤の下部には骨盤底筋があります。赤ちゃんは骨盤内の臓器をしっかりと支えている骨盤底筋を押し分けて出てこなくてはならないので、お産までにヨガのポーズで股関節を柔らかくして骨盤底筋を伸縮させておくのが効果的です。
また、ヨガのポーズで骨盤底筋を意識することに慣れておくと、お産のときに、力の入れ方をコントロールしやすくなります。赤ちゃんがスムーズに出てこられるように、ヨガのポーズで準備をしておきましょう。
股関節を柔軟にし、骨盤底筋を伸ばすポーズ
●両足の裏を合わせるポーズ
両足の裏を合わせて座り、手の3本の指(親指、人差し指、中指)で足の親指をつかみます。踵はなるべく恥骨に近づけます。
息を吸いながら、背筋を伸ばします。
ゆっくり息を吐きながら、両膝を床に近づけます。
息を吸いながら膝をゆるめ、ゆっくり息を吐きながらリラックスします。4~5回繰り返しましょう。
●しゃがみこみのポーズ(※36週を過ぎてから行いましょう)
両足の裏を床につけ両膝を開いてしゃがみ、両肘を両膝の内側に入れて合掌します。
息を吸いながら背筋をのばし、ゆっくり息を吐きながら、合掌した手を下げ、両肘を開いて両膝を外側に押し、股関節を開いていきます。
息を吸いながら合掌した手を上げ、両脚を緩めます。4~5回繰り返しましょう。
●横になり膝を開くポーズ
仰向けになり両膝を立てて両手を脚の付け根に置きます。両踵はなるべくお尻に近づけます。
息を吸って、ゆっくり吐きながら両膝を開いていきます。手は脚の付け根を軽く押さえて重みをかけます。
目を閉じ、ゆっくりとした呼吸を繰り返しながら股関節が緩み産道が開いていくのをイメージします。しばらく緩めたらゆっくりと膝を閉じ、ひと呼吸しましょう。
お産が近づくと、ホルモンの働きで骨盤が緩んでくるため、お腹の赤ちゃんは骨盤の中に少しずつ降りてきます。重みのかかり方の変化によって腰痛や脚の付け根の痛みが出た場合は「腰の痛みをやわらげるポーズ」(おうちでできる!マタニティヨガ #2)、「足のむくみを解消するポーズ」(おうちでできる!マタニティヨガ #3)を引き続きおこないましょう。
これまで4回にわたりご紹介した『おうちでできる! マタニティヨガ』。続けるうちに身体の不調が緩和され、気持ちも整ってきたのではないでしょうか。お母さんがハッピーな気分でいることがお腹の赤ちゃんには一番です。赤ちゃんと会える日を楽しみに、リラックスして過ごしてください。
《目次:おうちでできる!マタニティヨガ》
[#1]深呼吸でリラックスする
[#2]腰の痛みをやわらげるポーズ
[#3]足のむくみを解消するポーズ
[#4]安産力をアップするポーズ
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[監修者プロフィール]栁澤裕美(やなぎさわ・ひろみ)
オリーブ母子相談室院長。助産師、日本マタニティ・ヨーガ協会認定インストラクター。熊本県出身。産業医科大学医療技術短期大学看護学科、熊本大学医療技術短期大学助産学専攻卒業後、大学病院、個人病院勤務。1女2男出産後の2001年オリーブ母子相談室を開院。同院で妊婦相談、母乳相談、育児相談、産後ケアを行うほか、マタニティヨガ、ベビー&ママヨガのクラスを開催している。また、妊娠、出産、育児に関する講演・講座を行うなど地域の子育て支援活動に精力的に携わっている
【公式HP】http://www.oliveboshi.com/index.html
<Text:丸山美紀(アート・サプライ)/Photo:下林彩子、Getty Images>