東京都心から車で1時間、足柄森林公園 丸太の森(神奈川県)に、大人も子どもも一緒に楽しめるアトラクション施設「パカブ」がオープンします。森の中に張り巡らされた、色鮮やかな網が織りなす新感覚のエンタメ空間を、ひと足お先に体験してきました。▶…

 東京都心から車で1時間、足柄森林公園 丸太の森(神奈川県)に、大人も子どもも一緒に楽しめるアトラクション施設「パカブ」がオープンします。森の中に張り巡らされた、色鮮やかな網が織りなす新感覚のエンタメ空間を、ひと足お先に体験してきました。

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  ▲7月23日(日)にグランドオープンする、森の空中あそび「パカブ」。
所在地は、神奈川県南足柄市広町1544「足柄森林公園 丸太の森」内 

 “森の空中あそび”とも説明されるパカブは、フランス ブルターニュ地方のグロワ島で生まれました。もともと、地元の漁師が漁網を使って、今までなかった遊びを創造したのが始まりだったそうです。フランス、イギリスに次いで世界で3ヶ国目に、日本の足柄森林公園が選ばれました。

▲森に突如出現した色鮮やかなアトラクション、といった雰囲気でした 

 メディア体験会が行われたのは猛暑の7月。都心のビル街では湯立つような暑さが続いていましたが、丸太の森は気持ちの良いそよ風が吹き抜ける非常に涼しい気候。木の良い香りに包まれており、耳をすますと鳥や虫の声が心を和ませてくれます。敷地のエントランスでは日本、フランス、グロワ島の旗が出迎えてくれました。 

▲エントランスには日本、フランス、グロワ島の旗(左)。
滑りやすい靴を履いてきた人用に網仕様のすべり止めも用意(右)

 いざパカブに足を踏み入れると、バランスを取るのにとても苦労しました。予想以上に揺れる螺旋のスロープ。網の伸縮に加え、くくりつけられている木が適度に揺れるのもあるのでしょう。両手でバランスをとりながら、ゆっくりと登っていきました。登りきると、かなりの高さまで到達しています。 

▲木へのダメージを抑えるため、1本1本が丁寧に保護されています(左)。
予想以上に揺れる網の螺旋スロープ(右) 

 やがて12畳ほどの広場に出ました。ここでは人が歩いただけで、そちらに身体が引き寄せられます。トランポリンのように飛び跳ねる人、その反動で跳ね飛ばされる人。1人がジャンプを始めると、フロア全体が大きく揺れました。一緒になってジャンプすると、地上の2倍も3倍も高く飛べます。また寝転ぶと、まるでハンモックを揺らしてもらっているかのような気分になりました。

▲大人も子どもも笑顔で飛び跳ねる広場(左)。別のエリアに向かう道が分岐していました(右)

 森の上にはこのような広場がいくつもあり、それぞれが通路でつながっています。揺らしてはいけない規則になっている休憩エリアもあり、またミニサッカー、ドッチボール、バドミントンのできるエリアもあります。このほか、地上まで降りる滑り台も数本用意。降りた後も、すぐに登ってこれる構造になっていました。圧巻なのは、上下の2フロアに分かれている広大なエリア。網のはしごで、自由に行き来できる趣向です。

 

▲網のはしごを伝って、下のフロアに移動中に撮影(左)。
上のフロアを見上げると、家族がドッチボールをしている姿が見えました(右)

 

▲滑り台では地上へ降りることができます(左)。バドミントンのできるエリア(右) 

 地上に降りると、しばらくは地面が揺れているような錯覚にとらわれました。パカブ移動中は平衡感覚をとるのに必死になるため、体幹を鍛える効果も期待できるかもしれません。ちなみに筆者の場合、楽しさが後押ししてあちこち動き回った結果、気が付いたら汗びっしょりになっていました。

 ▲かなりの高低差があり、はじめは少し怖い滑り台(左)。
安全性が高いので、女性や子どもたちも楽しんで滑っていました(右)

 なお施設は安全のため半袖・半ズボン、革靴やヒールの高い靴では基本的に利用不可。場合によっては、靴の貸し出しもあるようです。また、他人に迷惑のかかる危険な行為(アクロバティックな運動、転落防止ネットのよじ登り、無理な追い越し、トンネルやすべり台の複数人での活動、危険物の持ち込み等)も禁止されています。 

楽しいパカブ、なぜこの森に? 

 足柄グリーンサービス 指定管理事業部 課長の碓井晃一さんに話を聞きました。フランス人スタッフが、この森にパカブをつくることを決めたのが2016年9月。測量をしてからフランス本国に戻ると、イメージを図面に落とす作業が始まりました。2017年2月には網の製作が始まります。設営スタッフが再来日して、丸太の森に到着したのが5月の連休でした。そこから2か月をかけて完成させたそうです。

 この土地を気に入った理由については「このあたり一帯は人工林ではない、クヌギの自然林が拡がっています。そうした環境が、彼らが作りたいパカブの特徴と一致したのではないでしょうか」と碓井さん。ちなみに5年で、すべての網を張り替える予定。網の耐久性、木への影響を考えてのことだそうですが、別の木に新しい網をかけることで、パカブの営業は継続していくとのことです。

 施設はトライアル期間を経て、7月23日(日)にグランドオープンします。すでにオンライン予約が開始されました。なお、パカブ内は120分の入れ替え制。混雑に悩まされることなく、家族や仲間内で思う存分に楽しめそうです。周辺にはキャンプ場やバーベキュー施設、自然植物観察園などもあり、森林浴やバードウォッチングも可能。全長1,060mの「足柄山 飛天狗 ジップライン」も目玉施設のひとつです。疲れたときには、食事や宿泊もできる露天風呂「おんりーゆー」も用意されています。碓井さんによれば、目標とする年間来場者数は3万人。老若男女が楽しめるパカブが開園することで、この夏、足柄森林公園一帯が家族連れや友人グループで賑わうことが予想されます。

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<Text & Photo:近藤謙太郎>

《関連サイト》
・森の空中あそび パカブ
http://parcabout.jp/