■アグリ

【中間調整】3勝クラスへの昇級初戦だった昨年12月の六甲アイランドSを一発でクリアし、これで条件戦は3連勝。そこから中9週とひと息入れ、重賞初挑戦だった阪急杯も、道中2番手から早めに先頭に立っての押し切りで勝利を収めた。続くGI・高松宮記念は7着に終わり連勝はストップしたが、相手関係と不良馬場での走りにくさがありながら、一旦は先頭に立つという見せ場十分の走りではあった。その後は意欲的に遠征で香港スプリントに出走。層の厚い現地の短距離強豪勢相手に、勝ち負けにこそならなかったが5着に踏ん張ってみせた。

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得意の阪神で走れるセントウルSを国内復帰戦とするのは予定通り。8月5日と比較的早めに栗東へ戻り、調整が始まっている。10日の初時計から順調に坂路で乗り込まれ、24日の時点でラスト2F24秒5(馬なり)をマーク。オープン馬グラティアスと楽に追走併入を果たしてみせた。1週前となる31日の調教では、この中間で初めてきっちり負荷を掛けられ、4F50秒9-1F11秒9(一杯)という好時計をマーク。

【最終追い切り】本来は主戦の横山和騎手の騎乗予定だったが、落馬負傷からのまだ回復途上とあって、“代打”として横山典騎手が騎乗することに。その横山典騎手が感触を確かめるため、レース当週の調教に騎乗した。坂路で5馬身先行していた古馬1勝クラスへ取り付き、坂の手前から併走。相手の手応えがやや優勢で、最後は切れ負けしてのクビ差遅れに終わったが、アグリ自身素軽くギアを上げ加速ラップでまとめていた。

【見解】最終追いは遅れ入線に終わったものの、鞍上の判断で無理をさせなかったもの。余力は十分に残っており、懸念視は不要だろう。動きの素軽さ自体は申し分なく、ギアチェンジなどの操縦性も上々。あくまでスプリンターズSを見据えた仕上げではあるが、海外遠征帰りで4カ月ぶりとすれば文句なしの状態。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。