ブタペストで金メダルを手にし、快哉を叫んだ北口。しかし、彼女は大会の舞台裏で起きていた予期せぬ事態を告白した。(C)Getty Images 金メダルの栄冠を手にした日本人選手の衝撃の告白が物議を醸している。 キッカケとなったのは、…

ブタペストで金メダルを手にし、快哉を叫んだ北口。しかし、彼女は大会の舞台裏で起きていた予期せぬ事態を告白した。(C)Getty Images

 金メダルの栄冠を手にした日本人選手の衝撃の告白が物議を醸している。

 キッカケとなったのは、9月1日に北口榛花(JAL)が自身のX(旧ツイッター)に投稿した発言だ。先月開催された世界陸上ブダペスト大会の女子やり投げで、金メダルを獲得していた彼女は、「なぜ私だけ無事だったかわからないですが、強くNOと言えることの必要性を再確認しました」とし、同大会期間中の舞台裏を明かした。

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「世界選手権で規定内ピンを使っていたにも関わらず、試合前のチェックでなぜかコントロールに引っかかり、直前でピンを変えさせられ、しかも手でつけられるということが、他の日本人女子選手たちに起きたからです。私は同じピンでしたが、変えられませんでした。オフィシャルでも人間なので違うと思ったらNOとその場で抗議しなくてはならないと感じました」

 さらに「実際に救済はありませんでした」とも記した北口。同じフィールドに立った斉藤真理菜(スズキ)、上田百寧(ゼンリン)のどちらかがスパイクのピンを直前に替えさせられた光景を目の当たりにし、黙っていられなかったのだろう。

 いずれにせよ、驚きの事実が“世界女王”によって拡散されると反響が拡大。そのなかで、他競技の日本人選手も証言するに至っている。男子走り幅跳びの吉田弘道(神崎郡陸協)は、北口の投稿を引用し、「言い訳になってしまうと思い、墓まで持っていくつもりでした」と吐露。そして、こう続けている。

「僕も規定違反だと言われて直前に使ったことないピンに変えられました。初めての海外で試合に出られなくなってしまうのでは…という不安から従うしかできませんでしたが、モヤモヤした状態で試合に臨んでしまったことは間違いありません」

 いったいなぜ、日本人選手たちがピンを変更するように求められたかは不明だ。しかし、相次ぐ証言に関係者も怒りの声を上げる。日本陸上競技連盟の強化委員会でディレクターを務める土江寛裕氏も自身のXで「この事実はもっと知られるべき」と強調。そして、強く訴えかけている。

「完全な審判のミス。選手がNOと言えることも大切だが、審判のミスを『ごめんなさい』で済ませてしまうことも信じられない。2025年、審判のみなさんも判定には細心の注意をして臨んでいただきたい」

 選手たちの訴えを聞く限りでは、大会側からの不可思議な指令に懐疑的な考えを持たざるを得ないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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