孤軍奮闘を続ける大谷を活かせずにいるエンゼルス。その状況に厳しい声が上がっている。(C)Getty Images エンゼ…

孤軍奮闘を続ける大谷を活かせずにいるエンゼルス。その状況に厳しい声が上がっている。(C)Getty Images

 エンゼルスはレギュラーシーズンの終了を前にチームを“解体”した。現地8月29日に先発右腕のルーカス・ジオリト、救援投手のマット・ムーア、レイナルド・ロペス、ドミニク・リオーネ、そして外野手のハンター・レンフロー、ランダル・グリチェクをウエーバーにかけた。

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 そして、現地31日には、グリチェクを除いた5選手の他球団への移籍が決まった。いずれも今オフにFA(フリーエージェント)となるベテランたちであり、これによってエンゼルスはチーム総年俸から500万ドル(約7億2800万円)以上の削減に成功。贅沢税の課税ラインである2億3300万ドル(約339億円)を下回る可能性が高まった。

 チームの将来を見据えれば、理にかなった対策と言える。エンゼルスは今オフにFAとなる大谷翔平にクオリファイング・オファーを出すのは確実なのだが、残留交渉が破断、他球団に移籍となった場合には、ドラフト2巡目の補償指名権を得られる。しかし、課税ラインを下回ってしまった際には、補償指名権が4巡目以降となってしまうのだ。再建が必須のチーム状況を考えれば、それは雲泥の差と言えよう。

 もっとも、今夏のトレード市場で獲得した選手たちをわずか1か月で無償放出する動きは球界に小さくない衝撃を与えたのは事実だ。一部のメディアからは批判の声が上がっている。

 米メディア『Dead Spin』は、一連の動向を「エンゼルスがいかに自作自演の地獄に陥っているかを象徴している」と切り捨て、大谷を残留させた今夏の補強を糾弾した。

「オオタニとプレーし続けるという幻想を抱いた球団を責めるのはたしかに難しい。だが、彼らはなぜか一歩踏み込んだ。7月後半に連勝中だったマイナー組織を空洞化させ、ホワイトソックスから後にタダで放出することになるジオリトとロペスを獲得したのだ。その結果、9年連続でポストシーズン争いから脱落する危機に瀕している」

 さらにアート・モレノオーナーをはじめとするエンゼルス首脳陣を「無能」を断じた同メディアは、FAが迫るなかで孤軍奮闘を続ける大谷についても、こう記している。

「メッツやドジャースといった球団がオオタニを獲得するだろう。そうでなくても彼がエンゼルスに残る理由はいまやほとんどない。MLB全体28位という数字が示すように、育成組織は完全に崩壊し、メジャーロースターも腐りかけた金の山だ」

 チームの大黒柱であった大谷の「いなくなったシーズン」を想定し、早々にチーム解体に踏み切ったエンゼルス。そのシビアな決断に逆風は強まるばかりだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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