8月29日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の1次ラウンドが行われ、グループAのドミニカ共和国(FIBAラ…

 8月29日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の1次ラウンドが行われ、グループAのドミニカ共和国(FIBAランキング23位)とアンゴラ代表(同41位)がアラネタ・コロシアム(フィリピン・マニラ)で激突した。

 ドミニカ共和国にとって、勝てば3戦0敗のグループA1位で2次ラウンド進出が決まるこの一戦、絶対的エースのカール・アンソニー・タウンズが第1クォーターだけで3度ファウルを吹かれるアクシデントに見舞われる。それでも、アンドレス・フェリスやビクトル・リズなど、ほかの主力メンバーはうろたえることなく、ドミニカ共和国が前半を37-32の5点リードで締めくくる。

 満を持して第3クォーター冒頭からコートに戻ったタウンズは、開始から2分足らずでファウルを吹かれ、またしてもベンチへ。第4クォーターは逆転された状態からスタートし、終盤まで拮抗した展開となるが、ビクトルのスティールやタウンズのフリースローで徐々に点差を離し、最後は逃げ切り75-67でゲームセット。ドミニカ共和国が3戦全勝で2次ラウンドへと駒を進めた。

 ファウルトラブルに苦しんだタウンズは「僕たちは勝利を手にし、ドミニカ共和国は熱狂している」とコメントした。大手メディア『ESPN』が伝えている。「僕たちは特別なチームだ。ほかの参加チームは僕らのことを計算外にしていたし、素晴らしい結果を残すなんて考えてもいなかった」。

 格上のイタリア代表(同10位)を撃破するなど、今大会で快進撃を続けるチームの1つとなっているドミニカ共和国。試合後の記者会見に出席したタウンズは、ともに国を背負って戦うヘッドコーチのネストル・ガルシア氏を賞賛した。

「僕は普段、NBAで素晴らしいコーチに囲まれているが、僕にとって偉大なコーチとは、状況やプレッシャーに関係なく、毎日笑顔で選手たちに最大限の力を発揮させてくれるコーチのことだ」

 昨年から同国の指揮官に就任したガルシアHCは、タウンズにとって“人生のコーチ”ともいえるほどの人格者のようだ。選手との写真撮影でも楽しんでいる様子が見られており、「練習に行けばコーチに会える。いつも楽しいんだ」と、タウンズは人柄も含めて指揮官を気に入っている。

「みんなを代表して言わせてもらうと、とても尊敬している人と一緒に仕事ができるのは本当に最高だ。彼はコート上で、チームと選手にとってベストな状態を引き出してくれる。彼のことを話しているだけで笑みがこぼれてしまうよ」

 2次ラウンドの初戦では、グループBの2位通過チームと対戦が組まれているドミニカ共和国。強固な信頼関係で結ばれた指揮官と戦士たちは、続くステージでも侮れない存在となるだろう。

【動画】ドミニカ共和国vsアンゴラのハイライト!