「スタメンで出たかったので悔しさはありました。フィジカル的に疲れが溜まっている訳ではなかったのですが試合展開がかなり緊迫…

「スタメンで出たかったので悔しさはありました。フィジカル的に疲れが溜まっている訳ではなかったのですが試合展開がかなり緊迫していて相手にも勢いがあり、そういった意味でしんどく、精神が擦り切れる試合でした」と、22日のACLチャンピオンズリーグ2023/24プレーオフから中2日。理文戦でフル出場したMF小泉佳穂湘南ベルマーレ戦の後半からピッチに立った。

 前半はアグレッシブな湘南スタイルに押される展開となる。それも中2日というハードな日程もあり浦和は疲労の色が濃く、セカンドボールの反応や守備で間を締める部分、ボールを持った時に押し上げられず、ことごとく元気な湘南に突かれて苦しい展開となる。それでも62分にFWホセ・カンテが決勝点となるファインシュートを決める。相手のプレッシャーをいなして、出てきたところを突くことを意識した小泉が投入されたことでボールが回り出していたことも勝利の要因である。

 小泉は「(ベンチから見ていて)前半をゼロで耐えたのは大きく、後半、ピッチいっぱいに顔を出して落ち着かせようと考えました。ボールを引き取り、湘南はボールサイドに人数をかけてくるので上手く逆サイドに展開できた。それは前半を見ていてプレーしたいと思っていました」と話すと、自身の出来には「及第点」と続けた。

 90分には中盤でルーズホールを拾い相手ディフェンダーを引き付けた小泉がMF中島翔哉にパスを通し、中島が右足を振り抜くも相手キーパーがセーブ。アシストとはならなかったが「綺麗に空いていたので上手く使えました。あれが得点になっていれば個人としてもチームとしても良かったと思いますが、チームを作っていくことが大事なので、次も、ああいう場面を増やしていきたい」と言葉に力を込めた。

■チームメイトのエールを受けて

 前回の理文戦では、連戦の中で試合に出続けている選手たちを少しでも休ませることを、自らの“至上命題”として試合に臨みフル出場。有言実行をし責任を果たした。

 このことをMF伊藤敦樹に伝えると「佳穂君が気にかけてくれて嬉しいです。でも自分でしっかり点を決めて休める時間を作りたいと思います」と茶目っ気たっぷりに話した。そしてコンディションが復調し、日に日に存在感を増している小泉について「コンダクターと言うか、リンクマンになってくれる。佳穂君も少し悩んだ時期もあったと思いますが、良い形で復活してくれている。もっと復活してくれればチームはもっとよくなっていくので期待したい」と戦友への想いを明かした。

 一方の小泉はチームメイトのエールを受け次のように言う。

「もっとやれたらいいと思いますが、試合に出るのはしんどいと思ったし、みんなは本当に凄い。僕も頑張りたいと思っています」

 浦和は過密日程の中で逃げ切り、首位との勝点差を6にし優勝争いへの望みはつないだ。
公式戦3連勝と勢いに乗るチーム。小泉もこの波に乗っていく。

■徒労に終わった理由

 また前半に起きた二人のやりとりを紹介したい。13分、相手選手とのコンタクトプレーで伊藤のスパイクの紐が切れた時のことだった。予備のスパイクをベンチに要求するとすぐに小泉がロッカールームへと走り、伊藤にスパイクを渡していた。

 小泉は「(紐が切れたことを)伝えに行ったら誰も把握していない状況だったので、結果的に僕が届ければいいと思って届けにいったが、彼のスパイクが2足あり、僕が持っていた方ではなく、スタッフが持っていった分が使われたので、ただの徒労に終わりました」と一連の出来事を笑顔で話した。

(文・構成/石田達也)

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