ロドリゲスをリングに沈めた井上。この衝撃的なKO劇を英識者が振り返っている。(C)Getty Images 「怪物」「世界屈指のハードパンチャー」「凶悪」 井上尚弥(大橋)の強さの表現する言葉は尽きない。それも当然だろ…

 

ロドリゲスをリングに沈めた井上。この衝撃的なKO劇を英識者が振り返っている。(C)Getty Images

 

「怪物」「世界屈指のハードパンチャー」「凶悪」

 井上尚弥(大橋)の強さの表現する言葉は尽きない。それも当然だろう。キャリア25戦無敗、しかもそのうち22戦でKO勝ちを収めている30歳の日本人ファイターは、稀有な存在としてボクシング史に名を刻む活躍を見せ続けている。

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 そんな井上の凄みを物語るパフォーマンスは、スーパーバンタム級で2団体統一を果たしたスティーブン・フルトン(米国)をはじめとして数多に存在する。そのなかで、SNS上において再び脚光を浴びているのが、2019年5月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝、当時IBF王者だったエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対峙した一戦だ。

 名手を前に井上は燃えていた。というのも、直前に行われた公開練習で、視察に訪れた父・真吾氏をロドリゲスのトレーナーであるウィリアム・クルーズ氏が左手で突き飛ばす暴挙に出ていたからである。

 後に「腹立たしくて、絶対にぶっ倒してやろうと思っていた」と語った通り、井上はロドリゲスを圧倒。「事実上の決勝戦」とも言われた難敵との一戦で2回に3度のダウンを奪って快勝。会場となったスコットランド・グラスゴーに詰め掛けたファンや識者の度肝を抜いたのである。

 井上の図抜けたパワーを示した一戦は依然として色褪せない。英ボクシング専門ポッドキャスト番組『Trading Leather』のホストを務めているスコット・ボックスマン氏は、現地8月16日に自身のX(旧ツイッター)を更新。「当日は会場で見ていた」というロドリゲス戦を「わずか45秒だが、苦痛だった」と回想。そして、当時に目の当たりにした凄みを思い出しながら、こう続けた。

「マニー・ロドリゲスのような超一流のファイターにこんなことをすれば、誰も彼が『ザ・モンスター』と呼ばれることに疑問を抱くことはない。この45秒の間に彼が見せたアクションは実に残忍だ」

 この投稿にファンから反響が寄せられ、父・真吾氏と敵陣営のいざこざについて指摘されたボックスマン氏は「イノウエを怒らせるのはよくない」と返答。さらに「イノウエはこのマニーとの一戦から確実に成熟している」と現在に至るまでの進化を強調してもみせた。

 すでに多くの伝説を生み出している井上。彼の止まらぬ快進撃への興味は尽きない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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