この日もやや制球に苦しんだ。それでも藤浪は何とかピンチを乗り切ってみせた。(C)Getty Images 見事なシャット…

 

この日もやや制球に苦しんだ。それでも藤浪は何とかピンチを乗り切ってみせた。(C)Getty Images

 

 見事なシャットアウトで、藤浪晋太郎(オリオールズ)がプロキャリア初セーブをマークした。

 現地8月13日に敵地で行われたマリナーズ戦で藤浪は10回裏から6番手として登板。下位打線から始まる打順ではあったものの、1回(12球)を投げ、被安打0、無失点、1奪三振と好投。三者凡退にねじ伏せた。

【動画】変貌した藤浪晋太郎、渾身163キロの剛速球での奪三振シーン

 

 タイブレークルールが適応されるため、無死二塁から始まる局面だったが、藤浪はブレなかった。先頭のディラン・ムーアには初球から3球連続ボールと苦しい立ち上がりを見せたが、直後から最速101.3マイル(約163キロ)を計測した4シームで追い込むと、カウント3-2から空振りで三振を奪取。これで完全に乗った。

 続く代打フォードに対しては、初球に投じた4シームが抜ける暴投で1死三塁としたが、レフトフライに打ち取る。そして最後は好打者フリオ・ロドリゲスを4ショートゴロに打ち取って本塁を踏ませなかった。

 今月9日(現地)に本拠地で開催されたアストロズ戦では、2死から3者連続四球と突然崩れて3失点。無念の降板を余儀なくされたが、そこから見事に修正をきかせ、力強いピッチングを披露した藤浪。この日もやや制球に苦しんだが、地元紙『The Baltimore Sun』のオリオールズ番を務めるネイサン・ルイス氏によれば、マスクを被ったジェームズ・マッキャンから「相手バッターは君と対戦したくないんだ。ストライクを投げれば、ここから抜け出せる」とアドバイスを受け、発奮した。

 女房役の助言もあり、難局をしのぎ、日米通算233登板目にして初のセーブを挙げた。そんな藤浪には、現地識者もさらなる飛躍を期待する。日米のプロ野球選手たちがこぞって利用する最新トレーニング施設『ドライブライン・ベースボール』の創設者であるカイル・ボディ氏は自身のX(旧ツイッター)で、こう記した。

「フジナミは残すべきだ。彼は本当にエリートだよ。私は大舞台で彼を生で見ることができて心底嬉しい」

 一歩ずつ進化を続け、声価は高まり始めている。藤浪はまだまだ止まらない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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