8月13日(日)、新潟競馬場で3歳以上馬によるGⅢ関屋記念(芝1600m)が行なわれる。 このレースは今回が58回目となる歴史ある重賞。昨年は1番人気のウインカーネリアンが勝利し、サマーマイルシリーズのチャンピオンに輝いた。初の重賞勝ちを…

 8月13日(日)、新潟競馬場で3歳以上馬によるGⅢ関屋記念(芝1600m)が行なわれる。

 このレースは今回が58回目となる歴史ある重賞。昨年は1番人気のウインカーネリアンが勝利し、サマーマイルシリーズのチャンピオンに輝いた。



初の重賞勝ちを狙うミッキーブリランテ

 このレースを血統的視点から分析していきたい。関屋記念の血統的傾向として目立つのは、デインヒルを中心としたダンチヒ系の好成績だ。直仔マグナーテンが2001年、2002年に連覇したのを皮切りに、2016年には直系でスニッツェル産駒のヤングマンパワーが勝利している。

 また、2011年のレインボーペガサス(母の父デインヒル)、2012年のドナウブルー(母の父ベルトリーニ)、2018年のプリモシーン(母の父ファストネットロック)、2020年のサトノアーサー(母の父リダウツチョイス)といった勝ち馬の母の父がダンチヒ系。そのうち、ドナウブルー、プリモシーン、サトノアーサーの3頭がディープインパクト産駒というのも大きなポイントだ。

 今回もダンチヒの血を持つ馬は何頭かいるが、中でも筆者が本命に推したいのがミッキーブリランテ(牡7歳、美浦・矢作芳人厩舎)だ。

 同馬はキャリア44戦を誇る大ベテランだ。重賞勝ちはないが、2021年のニューイヤーS(中山・芝1600m)を勝ち、同年のGⅢ阪急杯ではジャンダルム、インディチャンプ、ダノンファンタジーといったGⅠ馬に先着。レシステンシアに次ぐ2着に入っている。

 その後は2年半以上勝利がないが、3走前のGⅡ京王杯スプリングC(東京・芝1400m)では自己最速となる上がり3F33秒1の脚を見せ、1着から0秒5差の10着と、着順のイメージ以上に内容のある走りを見せている。新潟競馬場では3戦して馬券絡みはないが、3年前のこのレースでは0秒4差の4着に入っており、展開がハマれば好走は可能だろう。

 血統を見てみよう。本馬の持つダンチヒは、母の父ダンシリを経由して、その父デインヒル、さらにその父にダンチヒという血統。ダンシリは日本で種牡馬生活を送っているハービンジャーの父でもある。父ディープブリランテはディープインパクトを父に持つ日本ダービー馬で、この夏は産駒エルトンバローズがGⅢラジオNIKKEI賞を勝利している。

 前述のように、このレースを勝ったディープインパクト産駒のうちの3頭が母系にダンチヒを持っていて、プリモシーン、サトノアーサーの2頭はデインヒル経由。さらに、ミッキーブリランテは2頭が持つニジンスキーを母系に、ヌレイエフを父系に持っている。父系は一代異なるが、2頭とは共通点の多い血統構成となっており、このレース向きの血統馬なので期待したい。

 もう1頭はフラーズダルム(牝5歳、栗東・松永昌博厩舎)を推す。同馬は「母の父ホワイトマズル」、「祖母の父トニービン」という点が2019年の勝ち馬ミッキーグローリーと共通。さらに父キズナは、ミッキーグローリーの父ディープインパクトの産駒であり、血統構成はかなり似ている。

 同馬は今回と同じ舞台で行なわれた前走の谷川岳Sで8着に敗れているが、道悪に加え、直線では不利もあった。新潟・芝1600mでは一昨年に1勝クラスを勝利しているため、条件は悪くないはずだ。

 以上、今年の関屋記念はディープブリランテ産駒ミッキーブリランテ、キズナ産駒フラーズダルムに注目だ。