「2023UCI自転車世界選手権大会」BMXフリースタイル・パーク種目がグラスゴー(イギリス)にて、2023年8月5日(日)~7日(火)の3日間に渡って開催され、男子エリートではキーラン・ライリー(イギリス)が出身国開催で自身初の世界チャン…

「2023UCI自転車世界選手権大会」BMXフリースタイル・パーク種目がグラスゴー(イギリス)にて、2023年8月5日(日)~7日(火)の3日間に渡って開催され、男子エリートではキーラン・ライリー(イギリス)が出身国開催で自身初の世界チャンピオンの座を獲得。また女子エリートではハンナ・ロバーツ(アメリカ合衆国)が優勝を果たした。日本人最高位は中村輪夢の4位となった。


日本代表選手陣(左から寺林、小澤、内藤、大和、溝垣、中村の順) ©︎JCF

一年に一度の世界の頂点を決める戦いに今年は、日本代表選手陣から男子エリートにて2022年度世界チャンピオンである中村輪夢を筆頭に、そのスタイルが世界のトップライダーから定評のある溝垣丈司、世界を相手に引けを取らないライディングを見せる若手の小澤楓と寺林昌輝、そして今回はオリジナリティの光るライディングが特徴の大和晴彦が参戦。また女子エリートには日本のBMXフリースタイル・パークのガールズシーンを牽引する実力者内藤寧々が出場した。

以下は、男子エリートクラス決勝にて日本人選手たちが見せたライディングについての大会レポート。

外的要因によるイレギュラーな競技環境に苦戦を強いられた今年の世界選手権。その中でもしっかりまとめた中村輪夢が日本人最高位の4位。


決勝進出を果たした中村(右)と小澤(左) ©︎JCF

今回の世界選手権は自転車競技の全種目がイギリスのグラスゴーで8月3日から13日の10日間で同時開催される中、BMXフリースタイル・パーク種目の決勝は大会期間全体の中盤戦である7日に行われた。

世界選手権での入賞は2024年パリ五輪出場に大きく影響するため、現在転戦中のワールドカップシリーズ以上に日本チームとしては結果が欲しい大事な一戦となった。


photograph by Hiroshi Uehara

しかし、今大会は雨天の影響によりスケジュールの大幅変更や安定しない路面状況となり、選手たちは悪いコンディションの中での戦いを強いられた。そんな中で着実に決勝へ進出したのは男子エリートの中村輪夢と小澤楓だ。

中村は昨年に引き続き2連覇を目指す中、予選では大幅なスケジュール変更を耐え抜いて力を発揮し、全体2位で決勝に進出。


中村のライディング ©︎UCI

決勝では前大会で言及していた今大会のために用意した新技として「720・タックノーハンド to ターンダウン」をメイク。1本目のランではクリーンな着地ができなかったことから大技にはトライせず、2本目に備えて体力を温存する形でランを終えてスコアを38.00ptとした。

背水の陣で迎えた2本目では、彼のラン直前で降雨がありしばらく中断となるも、そこでメンタルを崩されることはなく、再開されたラン2本目では新技をクリーンにメイクし、大台である90点台の91.87ptをマーク。結果としては惜しくも上位選手には届かず表彰台を逃したが、メダルを射程圏内に捉えて今後の大会へ希望を残す全体4位で大会を終えた。


小澤のライディング ©︎UCI

一方で弱冠15歳の小澤楓が自身2度目の出場となる世界選手権では、予選敗退で終えた前回の29位を上回る結果を目指して力強いライディングを見せる。

ハイエアーから繰り出される高難度トリックとクリーンな着地で予選を21位で通過すると、決勝ラン1本目では「バックフリップテールウィップ to バースピン」や「バースピン to ウォールタップ to バースピン」をメイク。ラン2本目では「ダブルバースピン to バーバック」と、中村同様に新技を見せつけるランで技術の高さとオリジナリティを示した。

彼のランに会場も歓声を上げる場面もあり、 ラン1本目でマークした74.20ptを最高スコアとして15位という国際大会における自身最高順位で大会を終えた。なお、小澤は決勝出場者24人の中では最年少であった。 


内藤のライディング ©︎UCI

なお、女子エリートでは内藤が健闘するもミスも目立ち決勝進出とはならなかった。内藤自身のSNSでは「強くなって帰ってきます!」と英語で投稿するなど今後の大会への強い意志を示していた。

大会結果

<男子エリート>
優勝: Kieran Reilly / イギリス 95.80pt
準優勝: Logan Martin / オーストラリア 95.30pt
第3位: Nick Bruce / アメリカ合衆国 93.90pt
4位: 中村輪夢 (ナカムラ・リム) / 日本 91.87pt
15位: 小澤楓 (オザワ・カエデ) / 日本 74.20pt

<女子エリート>
優勝:  Hannah Roberts / アメリカ合衆国 87.00pt
準優勝: Sibei Sun / 中国 84.70pt
第3位: Huimin Zhou / 中国 83.20pt

<BMXフリースタイル・パーク日本選手団 大会結果>
男子:
中村輪夢(ウイングアーク 1st) 4位 
小澤楓 (岐阜第一高等学校) 15位 ※自己最高順位
(以下予選)
溝垣丈司 (湘南工科大学附属高校) 34位 
寺林昌輝 (第一学院高等学校) 53位
大和晴彦(デサント) 54位  

女子:
内藤寧々(第一学院高校) 16位

大会概要

⼤会名称 : 「2023 UCI自転車世界選手権大会 」
開催期間 : 2023年8月5日(土)~7日(月)- 3日間 –
開催都市:グラスゴー (イギリス)
出場選⼿:BMX フリースタイル・パーク種目
男子エリート66名、女子エリート30名

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