男子プロテニス協会のATP公式サイトは8日、世界ランク38位のM・ベレッティーニ(イタリア)のインタビューを掲載。負傷と隣り合わせの自身のプロキャリアや「全てを失った」と感じた瞬間、それでも前を向く強い思いを語った。>>アルカラス、ダニエ…

男子プロテニス協会のATP公式サイトは8日、世界ランク38位のM・ベレッティーニ(イタリア)のインタビューを掲載。負傷と隣り合わせの自身のプロキャリアや「全てを失った」と感じた瞬間、それでも前を向く強い思いを語った。
>>アルカラス、ダニエルらナショナルバンクOP組合せ<<
27歳のベレッティーニはこれまで7度のタイトルを獲得。2021年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)では四大大会での最高成績となる準優勝を果たすなど、2022年には自己最高となる世界ランク6位を記録した。
しかし同時にキャリアを通じて腹筋の負傷に悩まされており、今シーズンも4月のロレックス・モンテカルロ・マスターズ(モナコ/モンテカルロ、レッドクレー、ATP1000)で3回戦に駒を進めたものの、腹筋のけがで棄権を余儀なくされた。
さらに、復帰戦となった6月のボス・オープン(ドイツ/シュトゥットガルト、芝、ATP250)では、得意とする芝サーフェスだったが、同胞のL・ソネゴ(イタリア)に1-6, 2-6と完敗。しかし、諦めることのなかったベレッティーニはそこから3週間後のウィンブルドン1回戦で再びソネゴと対戦した際、6-7 (5-7), 6-3, 7-6 (9-7), 6-3で勝利。リベンジを果たすとA・デ ミノー(オーストラリア)A・ズベレフ(ドイツ)を下し16強入りした。
ウィンブルドンでの復活劇についてベレッティーニは「まだ生きていると感じたよ」とコメント。
「生きていると感じることは、それが自分自身でいれることを意味する。自分のためにやっているのだから、他のことは何も考えていない。これが僕の好きなことなんだ。何度もけがをしたことで、僕は少しそれを失ってしまった。スポーツに対する喜びを失ったんだ。僕はすべてを失った。生きていると感じさせるものが無いんだからね」
また、モンテカルロでの腹筋の負傷に関してはこう振り返っている。
「モンテカルロはいろいろな意味で本当に厳しかった。2回戦までは楽しかったし、誕生日だったのにけがをしてしまった。信じられなかったよ。クレーシーズンのローマは、僕にとって本当に特別な大会なんだ。だから、あのときの負傷は本当にひどい気分になった」
ローマ出身のベレッティーニはモンテカルロでのけがでBNLイタリア国際(イタリア/ローマ、レッドクレー、ATP1000)を欠場。その後芝シーズンに入り復帰したボス・オープンも苦しい思い出となった。
「準備不足を感じたし、コート上では本当に悲しい気持ちになった。『これは終わりのない物語なんだ』って思ったね。すべてが暗く見えたんだ。昨年は新型コロナウイルスにかかり、ウィンブルドンを欠場した。再びプレーできるチャンスはないと思っていたくらいだ。ネガティブなことばかり考えていたよ」
しかしそこでベレッティーニは自身で考えを完結させることなく、ガールフレンドやチームに頼ることを選択。結果的にその選択が今年のウィンブルドンでのデ ミノーやズベレフの撃破に繋がった。
「彼ら(ガールフレンドやチームのメンバー)は僕が再び戦わなければならないような状況にしてくれたんだ。その瞬間はもう戦いたくなくなるんだけど、でも僕は戦い抜いた。それがターニングポイントになったと思う」
ウィンブルドンでは4回戦で世界ランク1位のC・アルカラス(スペイン)に屈した。アルカラスはその後決勝でN・ジョコビッチ(セルビア)を破り優勝を飾ることとなる。ベレッティーニはアルカラスに6-3, 3-6, 3-6, 3-6の逆転で敗れるが、この敗北はボス・オープンとは一味違ったと明かした。
「カルロス(アルカラス)は本当にいい選手で、優勝に値すると思う。でも、僕はもっとうまくやれたと思うし、十分なテニスやトレーニングができなかった。もっとうまくやれたはずだと思いながらコートを後にするのは、数週間前の状態からしたら夢のようだった。フォアハンドでもバックハンドでも何でもいいから、コート上で何を改善できるかを考えられるんだから。負けたけど、喜びを感じた瞬間でもあったんだ」
ベレッティーニはその後ハードコートで練習を積みカナダへ渡り、現在はナショナル・バンク・オープン(カナダ/トロント、ハード、ATP1000)に出場。1回戦で世界ランク58位のG・バレール(フランス)を6-4, 6-3のストレートで破り初戦を突破した。2回戦では第7シードのJ・シナー(イタリア)と顔を合わせる。
「いい気分だよ。連続して多くの大会に出場していなかったからね。また慣れてきた。長い間家を離れることで、ツアーに出るという感覚が薄れていたことを思い出したんだ。これが僕の仕事であり、好きなこと。自分が幸せだと感じることをするのが好きなんだ」
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