ガールズドリームレースに出場する優勝候補たち。左から、山原さくら、児玉碧衣、佐藤水菜、柳原真緒【驚きの選出に感謝】 熱烈…



ガールズドリームレースに出場する優勝候補たち。左から、山原さくら、児玉碧衣、佐藤水菜、柳原真緒

【驚きの選出に感謝】

 熱烈なファンに支持されたガールズケイリンの精鋭たちが、真夏のバンクで競い合う「ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ」が、8月16日(水)と17日(木)に開催される。

 ガールズケイリンコレクションとは、3月、5月、そして8月に開催される特別レースで、この西武園ステージでは、17日にファン投票1~7位の選手による「ガールズドリームレース」、16日に8~14位の選手による「アルテミス賞レース」を開催。全国のオールスター選手が一堂に会するレースだけに毎年大きな注目を集めている。

 今回のガールズドリームレースに出場するのは、ファン投票1位の児玉碧衣、2位の佐藤水菜、3位の小林優香、4位の久米詩、5位の柳原真緒、6位の山原さくら、7位の太田りゆ。児玉は7年連続ファン投票1位で、先月にはガールズケイリン史上最速で500勝を達成した、人気と実力を兼ね備えたスーパースターだ。

 児玉は昨年末のガールズグランプリ2022でケガを負い、本調子を取り戻すのに時間を要したこともあり、本人は「今年はケガからのスタートでファンのみなさんに印象に残るようなレースができなかったのに、こうやって投票してもらえたのはうれしい」と感謝の言葉を述べた。

 また、昨年のガールズグランプリを制した柳原が、「昨年は20位にも入っていなかったので、ファン投票5位はすごくうれしかったし驚いた」と語れば、今年4月に通算500勝を挙げた山原さくらも「今はかわいくて強い子が出ているので、まさか自分が選ばれるとは思っていなくてビックリした」と共に予想外の選出に驚きを隠せなかった。

 そしてナショナルチームの一員として8月の上旬から世界選手権に出場している佐藤も、「この2年くらいガールズケイリンでしっかりと走れていないなかでも、たくさんの人たちに投票していただいてすごくうれしい」と素直に喜びを口にした。

【児玉がライバル意識を燃やす】

 ここ数カ月の成績で言うと、5月のガールズケイリンコレクション2023平塚ステージと7月のガールズケイリンフェスティバル2023の2つの特別レースを制した久米と、初のGⅠ開催となった6月のパールカップを制した児玉が優勝候補に挙げられる。

 しかしこの3つの特別レースに参加していなかったナショナルチーム所属の佐藤、太田の参戦が、今回のレースの最も大きな焦点となる。

 ちなみに昨年のレースでは、この佐藤と太田、そして児玉がレースを盛り上げた。最終周回で太田が前に出て後続を引き離しにかかるが、児玉が第4コーナーあたりで先頭に立った。しかし最後のホームストレッチで佐藤が児玉を抜き去り、1車身の差をつけて優勝している。このイメージを持つ佐藤は「今年も優勝して二連覇したい」と意気込む。

 一方で、心穏やかでないのが、児玉だ。「ナショナルチームの選手には負けられない」と対抗心を燃やす。さらに「ガールズケイリンを一年間盛り上げているのは我々なので、みんな口には出さないかもしれないですが、私が一番ナショナルチームを意識していると思う」とむき出しと言えるほどのライバル意識を持つ。

 そのナショナルチームは8月9日(水)までイギリス・グラスゴーで世界選手権に出場している。今シーズンはここに照準を合わせて最大限の調整をして臨んでいるため、選手にとっては、ガールズドリームレースはひと段落着いた後のレースとなる。佐藤は「体調はよさそうですけど、世界選手権が終わったらオフをとって自転車に乗らない期間を作る予定なので......」と一抹の不安を抱く。

 それでも佐藤は「ケイリンはなんだかんだ言って気合ですから、ファンの期待には応えたいと思う」と1着を譲るつもりはない。

【ベテラン選手がしのぎを削る】

 そして16日のアルテミス賞レースには、ファン投票8位の石井寛子、9位の日野未来、10位の荒川ひかり、11位の奥井迪、12位の石井貴子、13位の梅川風子、14位の小林莉子が出場する。

 注目は昨年ガールズケイリン史上初の500勝を達成したガールズケイリン2期生(104期)の石井寛子をはじめ、ガールズケイリン1期生(102期)の小林莉子、3期生(106期)の奥井、石井貴子とベテラン勢が何人も登場すること。歴史を紡いできた選手たちの出走は、見守ってきたファンにとっては感慨深く、この上ない楽しみだろう。また初めて見る人にとっても、数々の熾烈なレースで培ってきた彼女たち一人ひとりの走行スタイルの違いに、面白みを見出せるはずだ。

 またこのレースでもナショナルチームの一員として世界選手権に出場している梅川が登場する。「ナショナルチームの選手たちは、最先端の練習をこなしている分、本当にスピードが違うし、日本を背負っている雰囲気がある」と児玉も絶賛するように、段違いの走りが見られるかもしれない。

 熱すぎる女たちの戦い、ガールズケイリンコレクション2023西武園ステージ。今のガールズケイリンを知ることができる最適な2レースがまもなくやってくる。