イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3~16日/グラスコート)の男子シングルス準決勝。 双方のプレーヤーにとって、カギはビッグサーブにいかに対処するかだった。マリン・チリッチ(クロアチア)はそれをよりよくやってのけた…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3~16日/グラスコート)の男子シングルス準決勝。

 双方のプレーヤーにとって、カギはビッグサーブにいかに対処するかだった。マリン・チリッチ(クロアチア)はそれをよりよくやってのけた。

 第7シードのチリッチは第24シードのサム・クエリー(アメリカ)を6-7(6) 6-4 7-6(3) 7-5で倒し、2度目のグランドスラム決勝に進出した。彼は日曜日の決勝で、ロジャー・フェデラー(スイス)と対戦する。第3シードのフェデラーは第11シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)を7-6(4) 7-6(4) 6-4で退けた。

 ともに身長198cmのチリッチとクエリーは、試合の大半を支配するため、彼らのパワフルなサービスを使った。第1セットでは、ふたりのどちらもが相手にブレークポイントを与えなかった。

「サムはすさまじいサービスを打ち、パワフルなショットを打ち込んできた」とチリッチは振り返った。

 クエリーは、第1セットのタイブレーク終盤の短い遅れのあと、それをものにしてリードを奪った。しかし6-6となったとき、客席に体調を崩した女性がいて、助けるために数分の中断がはさまれた。プレーが再開したとき、やや硬くなっている様子のチリッチは2本のバックハンドをミスし、クエリーが2ポイントを連取した。

 チリッチは第2セットで、ついにこの試合最初のブレークに成功し、それから第3セットでもふたたびブレークを果たしてリードを奪った。しかしクエリーも負けじとブレークし返し、結局落としたとはいえ、勝負をタイブレークに持ち込んだ。

 第4セットで早めのブレークを果たしたのは、クエリーのほうだった。だがチリッチはそこから奮起してブレークバックし、最後のゲームで4度目のブレークに成功した。

「最初のタイブレークのあと、リターンゲームでの僕のプレーは少しよくなった」と、チリッチ。「僕は彼のサービスゲームで簡単にポイントを与えず、彼をよりプレーさせるようになった」。

 チリッチは最終的に25本のサービスエースを決め、ファーストサービスからのポイントの88%を獲得した。彼はまた70本のウィナーを決め、アンフォーストエラーは21本だけだった。クエリーは46本のウィナーを記録し、26本のアンフォーストエラーをおかし、サービスエースは13本だった。

「今日は彼が僕を小突き回した、というような感じを覚えている」とクエリーは言った。「第4セットで僕はブレークを果たした。彼がブレークバックしたとき、彼はただただ素晴らしいプレーをした。それがちょっと僕の士気を挫くことになったんだ」。

 この勝利でチリッチは、クエリーに対するウィンブルドンでの対戦戦績を3勝0敗、全体で5勝0敗とした。チリッチとクエリーがこれ以前にオールイングランド・クラブ(ウィンブルドン)で対戦したのは2012年のことで、試合は第5セット17-15までもつれる熱戦となっていた。

 チリッチは2001年に優勝したゴラン・イバニセビッチに続き、ウィンブルドン決勝に進出した2人目のクロアチア人となった。

 一方、フェデラーは8度目のウィンブルドン優勝を目指し、日曜日の決勝に向かう。敗れたベルディヒは、2010年のウィンブルドン決勝へ進む過程で、準々決勝でフェデラーを破っていたが、フェデラーはこの日の勝利でベルディヒに対する対戦成績を19勝6敗に向上させた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」男子シングルでサム・クエリー(アメリカ)を倒し、決勝に進出したマリン・チリッチ(クロアチア)(撮影◎小山真司)