井上の階級上げを求める声が強まるなかで、それに苦言を呈する識者もいる。(C)Getty Images  井上尚弥(大橋)の敵なしの強さが存分に証明された一戦だった。先月25日に東京・有明アリーナで行われた世界スーパーバ…

 

井上の階級上げを求める声が強まるなかで、それに苦言を呈する識者もいる。(C)Getty Images

 

 井上尚弥(大橋)の敵なしの強さが存分に証明された一戦だった。先月25日に東京・有明アリーナで行われた世界スーパーバンタム級2団体統一戦でのそれだ。

 相手はスーパーバンタム級で4年も王座に君臨してきたスティーブン・フルトン。体躯で勝る相手でもあったが、井上は容赦なく攻め抜いた。序盤から攻勢を強めて主導権を握ると、8回に右ストレートと左フックの連打でダウンを奪取。さらに再開後に立ち上がった王者に猛ラッシュを仕掛け、リングに沈めた。

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 難攻不落とされた王座をわずか1試合で覆した。異次元というべき井上の強さには、試合から約1週間が過ぎた今もなお賛辞が寄せられ続けている。それだけ30歳の怪物が世界中の度肝を抜いたという証左だろう。

 米格闘技専門サイト『Clinch』のサンティアゴ・アラウーホ記者は、フルトン戦のパフォーマンスを「スピードとパワーは驚異的だ」と絶賛。そのうえで「クロフォードとイノウエは他とは異なる。リング上での振る舞いだけでなく、知性と人格など、ありとあらゆる素晴らしい素質がある」とし、ライバルたちとの格の違いを称えた。

「我々は今の階級がイノウエにとって、それほど難しいものではないと確信している。今のイノウエは無敵だ。タパレスやネリといったライバルは存在するが、日本のモンスターを倒すための解毒剤は見つかっていない。今後もしばらくは優位性が続くだろう」

 さらにニカラグアの全国紙『La Prensa』のヘルマン・ガルシア記者は「すべての物事が簡単に予想できる。もはや『次がどうなるか』と考えるのも侮辱的だ。今の122ポンドでのナオヤ・イノウエを倒せる選手は誰もいない」と強調。母国の英雄的戦士で、世界4階級制覇王者ローマン・ゴンザレスでさえも「今は倒せないだろう」と断言した。

 もはや井上に対する声価の高まりは天井知らず。はたして、この快進撃がどこまで続くのか。まだまだ興味は尽きない。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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