世界との激突。それは多くの選手たちにとって未知であり、「いろいろな可能性が秘められている一戦」(西川)だ。 今季から始まった明治安田Jリーグワールドチャレンジ。7月15日に埼玉スタジアムで浦和がドルトムントと対戦する。浦和にとって世界トッ…


 世界との激突。それは多くの選手たちにとって未知であり、「いろいろな可能性が秘められている一戦」(西川)だ。

 今季から始まった明治安田Jリーグワールドチャレンジ。7月15日に埼玉スタジアムで浦和がドルトムントと対戦する。浦和にとって世界トップクラスと言えるチームとの対戦は13年のさいたまシティカップ・アーセナル戦以来。現在の所属選手でその試合に出場した選手は宇賀神、那須、梅崎、柏木、阿部、興梠、矢島、森脇のみ。代表でさまざまな国と対戦し、海外でのプレー経験もある選手や、W杯などの国際大会に出場した実績を持つ選手、ACLやクラブW杯の出場経験がある選手を加えても、大半の選手がペトロヴィッチ監督率いる浦和の一員として、初めて世界トップクラスのチームと対戦することになる。

 ドルトムントは昨季限りでトーマス・トゥヘル監督が退任。かつて市原(現・千葉)でプレーしたピーター・ボス氏が監督に就任した。監督は代わったが、クラブの伝統、そしてボス監督が過去に率いたチームを見る限り、攻撃的なサッカーに変わりはないだろう。浦和にとって、真正面からぶつかり、力試しをするには格好の相手と言える。加えてドルトムントが「僕たちのことを研究してくることはないと思う」(武藤)ことからも、浦和の独特な攻撃スタイルが通用する可能性も十分にある。

 浦和はリーグ戦ここ5試合で2勝3敗。さらに7試合に伸ばせば3連敗を含めて2勝1分4敗と決して良い状態ではないが、「これからのACLやその先につながる」(武藤)ことはもちろん、リーグ戦に向けても現状打破の契機となる可能性は十分にある。そのためにも、ドルトムントが相手だからこそ、自分たちのスタイルを貫きとおしたい。

 昨季はクラブW杯に出場して、その独特な攻撃サッカーで世界を驚かせることを一つの目標にしてきたが、あと一歩のところで叶わなかった。舞台はもちろん、公式戦と親善試合という意味でも異なるが、日本だけでなく世界のサッカーファンに、ミシャレッズの戦い、力を存分に見せつけたい。

文・菊地正典