KOこそ奪われなかったものの、相手の勢いに飲まれたドネア。その敗北に「引退」を示唆する記者は少なくない。(C)Getty Images 鮮烈なパフォーマンスはほど遠い内容に終始した。 現地7月29日にボクシングの世界バンタム級WBC…

KOこそ奪われなかったものの、相手の勢いに飲まれたドネア。その敗北に「引退」を示唆する記者は少なくない。(C)Getty Images

 鮮烈なパフォーマンスはほど遠い内容に終始した。

 現地7月29日にボクシングの世界バンタム級WBC王座決定戦が米ネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われ、元世界5階級制覇王者の同級1位ノニト・ドネア(フィリピン)は同級3位アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に0-3の判定負け(113-115×2、112-116)を喫した。

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 再起戦と位置づけられた一戦でことごとく精彩を欠いた。ドネアはじわじわと圧力をかけた3回に、代名詞の左フックをぶち当ててぐらつかせたものの、徐々にトーンダウン。中盤に入っても好戦的で、手数が減らないサンティアゴに苦戦を強いられると、11回はふらつく場面も……。なんとか12回を戦い抜いたが、相手を仕留めきれずに終戦した。

 数多の名場面を創出してきた左フックで仕留める場面も訪れなかった。40歳となり、加齢による身体の衰えが否めなかったドネアには、キャリアの終焉を唱える記者も少なくない。米専門メディア『Boxing Scene』のクリフ・ロルド氏は、自身のツイッターにおいて「ボクサーには辞めるべきだとは絶対に言わない。しかし、ドネアが現役続行する姿は見たくない」と現役引退を勧めた。

 また、米老舗誌『The Ring』のダグラス・フィッシャー編集長は「稀代の名手だったしても、心も整ってクリーンな生活を送っていたとしても、ボクシングでずっと健在でいることは出来ない」と指摘。さらに米スポーツ専門メディア『Sporting News』のトム・グレイ記者も「ドネアが心配だ。キレを失い、劣勢に立たされていた。でも、年齢と消耗を考えれば当然だ。私はこの男のハッピーエンドを望むよ」とやはり最盛期のキレが見られなかったパフォーマンスを憂いた。

 さらに「今夜のドネアはパンチが来るのが分かっていても避けきれなかったり、カウンターの駆け引きもできない感じだった」(米ジャーナリスト、スティーブ・キム氏)とも揶揄されたドネア。試合直後のリングで「自分はやるべきことはやったと思う。とにかくこのスポーツが大好きです。妻にも伝えたけど、(今後について)またロッカーに戻ってセコンドのみんなと話し合って決めたい」と明かした40歳は、いかなる決断を下すだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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