フルトンに圧勝して世界的な声価を高めた井上(右)。しかし、彼をPFPで1位とする声にスペンスJr.(左)が異論を唱えた。(C)Getty Images メガマッチを目前にカリスマ王者が、己の“プライド”を見せつけた。 現地7月29日…

フルトンに圧勝して世界的な声価を高めた井上(右)。しかし、彼をPFPで1位とする声にスペンスJr.(左)が異論を唱えた。(C)Getty Images

 メガマッチを目前にカリスマ王者が、己の“プライド”を見せつけた。

 現地7月29日に米ネバダ州ラスベガスで開催されるウエルター級の4団体王座統一戦。WBAスーパー、WBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.とWBO世界同級王者テレンス・クロフォード(ともに米国)がついに拳を交える。

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 両雄はともにキャリア無敗。勝者は4団体統一王者となり、敗者はキャリア初黒星を喫するという構図となる至高の一戦は、2015年に400億円のファイトマネーを生み出したフロイド・メイウェザー(米国)vs.マニー・パッキャオ(フィリピン)以来となるメガマッチと言われてもいる。その注目度は今月25日に日本で実施された井上尚弥(大橋)とスティーブン・フルトン(米国)によるタイトルマッチ以上と言っても過言ではない。

 一部で注目されているのは、パウンド・フォー・パウンド(PFP)の行方だ。米老舗誌『The Ring』の同ランキングにおいてスペンスが2位、クロフォードが3位と共に上位につけている。ゆえに史上初のウエルター級完全統一を果たせば、一気にPFP1位の可能性が浮上するのだ。

 もっとも、巷では“モンスター”が優位の見方は強い。天才的なオールラウンダーとして守備力を評価されていた王者フルトンを圧倒し、最後は渾身の2発でリングに沈めた井上が「何があっても1位だ」という声は絶えない。

 ただ、話題となったフルトン戦を目の当たりにしても「世紀の一戦」を戦う王者には、自分こそが1位になるという自負がある。米メディア『Fight Hype』などの取材に応じたスペンスJr.は、「土曜日の自分たちの試合で勝った方が1位になると思うか?」と問われ、「もちろんそうなる」と断言した。

「土曜日の夜、しかもSHOW TIMEのPPVだ。たしかにイノウエは凄い選手だし、フルトン戦は素晴らしいパフォーマンスだった。だけど、彼が倒した相手はPFPのトップ10にも入っていない。俺たちの試合は違う。PFPトップのファイター同士だし、階級最強による試合だ。世界中から評価されていて、全てのタイトルも懸かっているんだ」

 自分たちの試合の規模の大きさ、レベルの違いを主張したスペンスJr.は、「たとえリング誌のPFP1位にならなくても、世間は俺たちの試合の勝者が1位と認めるさ。俺は強い奴らに勝ち続けているからね」とも強調。揺るぎない自信を誇示した。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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