4団体統一をかけて年内の対戦が見込まれている井上とタパレス。前者の優位は動かないだろう(C)Getty Images 7月25日に東京・有明アリーナで行なわれたボクシングWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチは挑戦者とし…

4団体統一をかけて年内の対戦が見込まれている井上とタパレス。前者の優位は動かないだろう(C)Getty Images

 7月25日に東京・有明アリーナで行なわれたボクシングWBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチは挑戦者として試合に臨んだ井上尚弥(大橋)が、スティーブン・フルトン(米国)を8回TKOで降し、2団体の同級王座を獲得した。スーパーバンタム級初戦でのタイトル挑戦とあり、試合前までの勝敗予想では様々な意見があったものの、新王者となった井上の試合運びや圧倒的なパンチ力など、ボクシングスキルの高さが印象付けられる試合展開となった。

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 しかし試合後、劇的な幕切れも束の間、2本のベルトを手にしたばかりの井上に次なる強大な敵が歩み寄っている。この試合をリングサイドで観戦していたWBA&IBF世界スーパーバンタム級統一王者のマーロン・タパレス(フィリピン)だ。ともに柔らかい表情で言葉を交わし、両者は大観衆の前で「4団体統一戦」を行なうことを宣言。激闘が終わったばかりの会場は思わぬ急展開への大歓声に包まれることとなった。

 今年4月にムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)を下し、2団体王者となったタパレス。「モンスター」に対し直接、宣戦布告を行い、今後の戦いのイメージが一気に具現化されたこともあり、各国のメディアもこのアクションに対し、さまざまな反応をみせている。

 米国ボクシングサイト『BoxingScene.com』では現地時間7月27日(日本時間28日)、この両王者が接触したシーンについて「戦いが終わった後、タパレスはリングに入り、両ボクサーは年末に対戦することに口頭で同意した」と振り返っており、さらに試合開催についても、タパレスの共同プロモーター、サンマン・プロモーションのJC・マナンキル氏が「試合はほぼ確実に実現する」と見解を示したと記している。

 さらにタパレスの母国、フィリピンのニュースサイト『philstar』では、はやくも試合展開を見通しており「2人のチャンピオンは必然的に試合で向かいあうことになるが、統一チャンピオンとして浮上する最有力候補はイノウエだ」と日本人王者有利と予想。続けて「しかし、タパレス陣営は世界に衝撃を与える能力に自信を持っている」と綴っており、その上で「ナオヤ・イノウエは偉大なファイターだが、どのファイターにも弱点がある」と語ったマナンキル氏のコメントも紹介している。

 すでに開催に向かっているとされる井上、タパレスによるビッグマッチ。ボクシングファンの想像の中で繰り広げられているであろう両雄の激突は、そう遠くない時期に現実のものとなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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