■スティクス

【中間調整】昨年のアイビスサマーダッシュは、13番人気という評価ながら5着に健闘。不利とされる内枠から外を目指さず、腹を括って内ラチ沿いに進路を取って一瞬はあわや、を思わせる見せ場十分の走りだった。前走の韋駄天Sは待望の大外8枠16番から先手を奪うレースができたが、最後はパタッと止まり1番人気を裏切る7着。久々が堪えた感があり、再装着したチークピーシズが悪いほうに影響し、序盤はかなり押さないと動いていけないような場面もあった。

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昨年5着から前進を目指し今年もアイビスSDに進路を定め、中間は放牧で休養。7月上旬に栗東へ戻り、12日に初時計として坂路15-15を消化した。2週前追いのCW単走で6F79秒7(強め)、1週前もCWで6F80秒9(強め)と、酷暑のもとでもガツンと負荷を掛けて問題ないあたり、体調面はすこぶる良好そうだ。

【最終追い切り】先週までの攻めで負荷は十分。新潟への輸送を控えるレース当週は、息を整える程度の内容に留まった。CW単走で序盤はゆったり入り、ラストは四肢を大きく使って軽快に伸びていた。

【見解】中3週だった昨年のアイビスSD時は坂路オンリーの仕上げで、状態はそこそこ。それに対し、早い段階からこのレースを目標に逆算している今回はCWでしっかり負荷を掛ける調整ができており、態勢としては昨年を大幅に上回っている。今回はチークではなくブリンカーを着用するが、稽古では効果てきめんで、序盤に集中を保って走れていたのもいい。絶好の仕上がり。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。