埼玉県所沢市にあるSKiP FACTORY skateparkにてJapan Street League(以下:JSL)の第2戦目となる “SKATE COLOSSEUM“ が2023年7月2日に開催された。SKiP FACTORY ska…
埼玉県所沢市にあるSKiP FACTORY skateparkにてJapan Street League(以下:JSL)の第2戦目となる “SKATE COLOSSEUM“ が2023年7月2日に開催された。SKiP FACTORY skateparkはJSLオフィシャルパートナーとしてJSLツアーの開催最多会場であり今回が通算3戦目。今大会からダウンレッジとステアレールの2つのセクションが新設されることになったが、これらのセクションに共通している特徴は、セクション自体高低差は高くはないものの勾配と長さに特徴があり、選手からするとトリックに入りやすいとされている一方、良いトリックにはなかなか繋がらない為、より選手たちの技量が試されるということだ。
このJSLの出場者は完全招待制になっておりその数は20名。年間を通じ全4戦を国内のスケートパークで行ない、年間王者を決めるストリートツアーリーグである。採点方式はパリオリンピック予選と同じ採点方式を採用しており、ラン45秒を2本、ベストトリックを5本の合計7本で競い合うルールとなっている。点数はそれぞれ100点満点で、より得点の高いラン1本+ ベストトリック2本の3つの合計点数(300点満点)でランキング化し優勝者が決まる。
そして先日行われたJSL2023第2戦 “SKATE COLOSSEUM“の優勝者はSLSセレクトシリーズ*¹ への出場権が与えられ、今回集まった19名の選手の熱い滑りに観客は大いに盛り上がっていた。
*¹ SLSセレクトシリーズとはSLSに出場するための予選のことで、現在セレクトシリーズへ出場できる予選大会はない。セレクトシリーズに招待された選手全員にSLSチャンピオンシップツアーへ招待されるチャンスが与えられる。なお、次回セレクトシリーズの開催日時・場所は未定。
根附海龍
その大興奮の中で “SKATE COLOSSEUM” を制したのは、静岡県島田市出身の根附海龍(ネツケカイリ)。2019年にアマチュアの世界最高峰の大会であるTAMPA AMで優勝し、今年5月に行われたX Games ChibaやUPRISING TOKYO Supported by Rakutenなど世界大会を転戦している海龍は、昨年のJSLグランドチャンピオンに続き今回の優勝とまた一つ経験値を上げ、世界最高峰であるストリートリーグ SLSへと近づいた。
海龍は予選ラウンドを全体の4位につけ、下位選手のランの様子もうかがいつつ上位選手へのプレッシャーもかけられるという順位で決勝ラウンドへ進出。決勝ラウンドのラン1本目は、ハンドレールを力強く叩きつけスタートをし、Kグラインドフリップアウト・キャバレリアルヒール・ヒールフリップフロントサイドノーズスライドと回転技を3連発メイクし、極めつけに新設されたサムライヘッドでバックサイドクルックドグラインドノーリーフリップアウトをメイクし今大会ハイエストスコアの91.20ptを叩き出した。
海龍の勢いは止まらずベストトリックでは1本目、2本目はミスをするも3本目には、またもサムライヘッドでノーリーインワードトールフリップフロントサイドスライドをメイクし83.37pt、4本目にはハンドレールでヒールフリップバックサイドテールスライドをメイクし82.80ptとポイントを重ね2位以下に大差をつけ、圧倒的強さと世界大会の舞台で得た経験と自信を見せつけSLSセレクトシリーズの切符を手にした。
佐々木音憧
今回惜しくも準優勝となったのは、前回大会のムラサキパークで行われたJSL第1戦目”Be GeeKing”を制した佐々木音憧(ササキトア)。ラン2本目のビッグトランスファーフロントサイドノーズブラントスライドのファーストトリックをメイク。1本目ではミスしたフロントフリップもしっかりとメイクし、そこまでノーミスライディングだったが、Aフレームで360キックフリップをミスしてしまい79.73ptとポイントが伸び悩んだ。ベストトリック1本目をキャバレリアルノーズブラントトゥフェイキー、2本目をノーリーフリップフロントスライドと完璧にメイクし78.73ptと83.00ptで、海龍にプレッシャーをかけるもランのミスが響き、今大会は惜しくも2位となった。ただ、ツアーポイントでは海龍と並び首位をキープしているので、次戦の音憧と海龍との戦いにも注目したい。
薮下桃平
そしてそのような高レベルな選手たちが白熱する中、第3位に位置をしたのは弱冠14歳の薮下桃平(ヤブシタモモヘイ)。この一年で身長もスキルも大きく伸び、今もなお成長し続けているネクストジェネレーションの注目選手だ。ランではミスが目立ち69.87ptと伸び悩むもベストトリック1本目でビガースピンフリップフロントボードをメイクし、79.67ptをマーク。続いて、2・3本目はハンドレールにフリップ270リップで攻めるもメイクできずにいたが、4本目で見事完璧にメイクをし、ジャッジもギャラリーも納得の90.03ptを叩き出した。しかしランの得点が響き順位を入れ替える事ができず3位フィニッシュとなった。
次回のJSL2023第3戦は2023年10月1日(日)に愛知県蒲郡市にある DELIC SkatePark で行われる予定だ。今シーズンを制するのは果たして誰になるのか。今後にも注目をしていきたい。
優勝した根附海龍のコメント
“SLSは予選でも何でも出たかったので、しっかり出場権をゲットできて嬉しいです。このJSLはみんなレベルが高く、誰が優勝してもおかしくない大会だと思います。大会自体もベストトリックがあったり、ルールも世界大会と同じで楽しい大会です。今後も国内外の大会と、スポンサーであるZEROskateboardからのパートの両方を頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。”
今回新たに登場した侍セクション
中央に鎮座するのは、サムライヘッド。
まさしく鞘から抜かれた刀をイメージされたサムライソード。
JSL発足者、代表の立本和樹氏の想い
JSL立ち上げの経緯は?
当時 2010年に、DC SHOES初期プロライダーでもあったロブ・デューディックが中心となりSLS(Street League Skateboarding)が立ち上がり、当時それまでにはなかったステアやハンドレールのセクションに繰り出すベストトリックなどストリート寄りの大会ができたんです。オーディエンスは選手の一挙手一投足を固唾を呑んで見守り、9club(9ポイント以上の得点)が出れば選手にはスタンディングオベーション。その大会を見た自分は『これだ!』と確信しました。
そこからは自分のスポンサーを冠に、大会運営をほぼ1人で3年ぐらい続けたと思いますが、次やる時はチームを作って最高な大会をやろう仲間を探しました。今から3年前に今のメンバーのロス・バトソン氏(合同会社エクアスプロダクション代表)と中澤弘純氏(合同会社グリーンフル代表)に出逢い、自分の気持ちをぶつけました。『若い選手たちにもジャパンドリームを掴んでもらいたい!』『かっこよくスタイルのある大会をやりたい!』など。たまにアングラな部分も伝えつつ、今にはない大会を開きたいと。もちろんSLSに直結したいという気持ちもぶつけ、『それに賛同できるなら一緒にやろう!』というのが始まりですね。
JSL発足から一つの目標としていたSLSと繋がり、より世界を見据えた大会(試合)として、JSL代表 立本さんの思いを教えてください
SLSとのコンタクトはJSL立ち上げ当初からずっと始まっていました。毎度大会の運営情報を送ったり選手リストを送ったり、Zoomミーティングやったりと。実際は1年4ヶ月かかったのですが、それでも全チームが信じてやってきた事は間違ってはいなかった!という証ですね。1年4ヶ月という短期間でSLSに近づけたことには、運営チーム、サポートチームの協力があってのことでもありますし、より一層チーム全体の気持ちと絆が深まった瞬間だと思っています。今は日本人選手だけではなくて、アジアの選手も招待してるのですが、元々の野望もあって日本国内ドームツアーがやりたいですね!そして選手がジャパンドリームを掴む夢を見せるだけでなく、掴ませてあげたい!それをサポートしていけたらいいなと思っています。
Japan Street Leagueとは
JSLとは、2022年に発足されたJapan Street League の略称で、独自の進化を続ける日本のスケートボードシーンの最先端を世界に向けて発信するべく、プロスケーター立本和樹氏が発足した国内最高峰のスケートストリートリーグ。この度SLS公認大会に昇格し、今大会の勝者はSLSセレクトシリーズに招待される。JSLに出場できるのは日本トップの招待選手のみとなり、年4回の開催を予定。その模様はフジテレビの動画配信サービスFODにて生中継される。国内で躍動するスケーターから、海外を股にかけるスケーターまでが名を連ねるJSL。日本のスケートボードの“新たな可能性”がここにある。
大会結果 “SKATE COLOSSEUM“
優勝:根附 海龍 257.37pt
2位:佐々木 音憧 241.46pt
3位:薮下 桃平 239.57pt
4位:山附 明夢 223.46pt
5位:齋藤 丈太郎 150.17pt
6位:渡邊 星那 140.73pt
7位:佐々木 来夢 89.43pt
8位:齋藤 吟平 55.60pt
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大会概要
【タイトル】SKATE COLOSSEUM
【日程】2023年7月2日(日)
【会場協力】SKiPFACTORY 〒359-0016 埼玉県所沢市新郷220
【招待選手】
齋藤丈太郎 /今村怜也 / 山附明夢 / 玉野辰磨 / 佐々木音憧 / 澤田莉旺 / 根附 海龍 / 安部来夢 / 齋藤吟平 /浦野晴 / 石井太陽 / 西山奏 / 高橋陽太 / 柿谷斗輝 / 張爾洙 / 望月大輔 / 藪下桃平 / 佐々木来夢 / 渡辺星那(順不同)
【特別協賛】FOD / SEIKO 5 SPORTS / Columbia / SKiPFACTORY / ステンレスアート共栄 / Red Bull
【協力】4s sound / Liveheats / Tufleg / GREENFUL
【 MC】上田豪 (メインMC) / 寺井裕次郎 (サブMC)
【ジャッジ】謝花明徳 / 橋本貴興 / 宮島大介
【ライブ配信】FODプレミアム(フジテレビオンデマンド)
【主催】JAPAN STREET LEAGUE実行委員会
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