数多の猛者たちを沈めてきた井上を、英国人戦士が褒めちぎった。(C)Getty Iamges  7月25日、東京・有明アリーナでボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)がWBC&WBO世界スーパーバン…

 

数多の猛者たちを沈めてきた井上を、英国人戦士が褒めちぎった。(C)Getty Iamges

 

 7月25日、東京・有明アリーナでボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)がWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者であるスティーブン・フルトン(米国)に挑む。

【画像】フルトン戦に向けて最高の仕上がり ファンが熱狂した井上尚弥の肉体美

 

 このビッグマッチは、「モンスター」井上のスーパーバンタム初戦であることや、両者の体格の違い、異なる戦い方など注目を集めるポイントの多い試合であり、試合展望なども国内外、様々なメディアで報じられている。特に、ホームリングで迎え撃つ形の井上と、敢えて敵地での防衛戦を選択したフルトン、それぞれの試合までのコンディションなどもボクシングファンの大きな関心事であることも間違いない。

 直前となった試合に挑む両者の仕上がり具合や、当初の予定より2か月以上、延期となった点もどのような影響を及ぼすかなども含め、現在日本ボクシング界の理事を務め、井上が「第二の師匠」と慕っている須佐勝明氏に話を聞いた。

 このインタビュー直前に大橋ジムを訪れ、井上の練習に立ち会ったという須佐氏は「以前よりも明らかに身体の動きや大きさが変わっていた」と振り返っており、さらに試合を目の前にし「吹っ切れた様子だった」として、心身の充実ぶりを目の当たりにした印象を語った。

 また、拳の負傷により試合日程が延期になった点についても、この間に元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーによるフィジカルトレーニング、通称「ヤエトレ」を行っており、その効果もみられたと述べ「2か月間でモチベーションも十分に上がっている」と太鼓判を押した。

 一方で、フルトンは今月11日に来日し、その3日後に行った公開練習を3分にも満たない異例の早さで終え話題となった。この一件について須佐氏は「あれは盛り上げるためにやったという部分もあると思うんですけど、減量がキツいという理由もあったんではないでしょうか。腕もだいぶ太かったようですし」として、王者陣営の心情を読み解いている。

 加えて、およそ2週間、試合までの準備を日本で行う中、普段とは異なる環境での減量や、動きの多いファイトスタイルであることなどを挙げ「これまでの試合は自分のペースで進められてきましたが、井上選手のプレッシャーが懸かったら(フルトンは)相当にバテると思います」と試合への見込みを述べた。

 最後に須佐氏に改めて、現在の井上のコンディションについて尋ねると、以下の様に言葉を並べている。

「表情が豊かに感じられ、自信に満ち溢れている。井上選手自身がこの戦いを楽しみにしている様子が垣間見えます。私も、またさらに進化した井上選手をみられることを楽しみにしています」

 いよいよゴングまで間もなくとなった世紀の一戦。2本のベルトが懸かった全勝同士による大一番は、ベストの状態での両雄が激しくぶつかり合う好ファイトを期待したい。

 

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【解説】須佐勝明(すさ・かつあき)

1984年、福島県生まれ。会津工業高校から東洋大学へ。2012年、自衛隊体育学校所属時にロンドン五輪に出場。ロンドン五輪ミドル級金メダリストの村田諒太は東洋大学の1学年後輩にあたる。株式会社AYUA代表取締役。日本ボクシング連盟理事。SUSAGYM会長。アジアコーチ委員会委員長。共同通信社ボクシング評論担当。会津若松市観光大使。ほか。

 

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