■ディヴィーナ
【中間調整】牝馬3冠で2着3回、古馬となってからはヴィクトリアマイルを連勝した名牝ヴィルシーナの3番仔で、母と同じく“大魔神”佐々木オーナーが所有し、友道厩舎で管理されている。素質は高いながらも乗り難しさがあるようで、脚踏みしつつ地道に条件戦で勝ち星を重ねてきた。4歳シーズンの昨年3月に準オープンを勝ち上がり、ようやくオープン入り。このクラスに入って以降、勝ち負けの競馬はできていないが、前走のGI・ヴィクトリアマイルで上がり最速の末脚から4着に食い込んだあたりは素質の片鱗と言える。
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その後はノーザンファームしがらきでの放牧でひと息入れ、中京記念を目指すことに。6月23日に栗東へ戻り、24日に坂路2F12秒8-12秒6とさっそくスムーズに動けていた。1週前追いにはM.デムーロ騎手が騎乗し、CWで3頭併せ。2頭を大きく先に行かせていたとはいえ、直線でやや切れを欠き2頭それぞれにわずかに届かずの遅れ入線に終わっている。
【最終追い切り】レース当週は前走同様、坂路単走。やや掛かり気味ながら活気十分の雰囲気で登坂。序盤に力んだ分、ラストはさすがに勢いが鈍ったものの、一定の軽快さを保って駆け抜けた。
【見解】オープンクラスでの賞金加算がなく、持ち賞金は2400万円。登録時点で4分の2の抽選対象だったが結局木曜の抽選に通過し、出走にこぎつけている。動きは稽古駆けする馬としてはなんとか水準級と言えるが、1週前、最終追いとあと少しの切れを欠いている印象で、まだ良化の余地がありそう。華奢な馬かつ1/2の抽選対象とあって、ここでキンキンに仕上げて除外となった場合の影響を考慮してのことかもしれない。全幅の信頼は置きづらいところだ。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター 競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。