井上の進化を間近で目にし、体感してきたドネア。そんなベテランが語ったフルトンとの差とは?(C)Getty Images 目前に迫るビッグマッチには、かつてのライバルも熱視線を向けている。 来る7月25日、ボクシングの前世界バンタム級…

井上の進化を間近で目にし、体感してきたドネア。そんなベテランが語ったフルトンとの差とは?(C)Getty Images

 目前に迫るビッグマッチには、かつてのライバルも熱視線を向けている。

 来る7月25日、ボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は東京・有明アリーナで、WBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)とのタイトルマッチに挑む。

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 今年1月にスーパーバンタム級への階級上げを正式表明した井上にとって“初陣”。その相手が21戦無敗を誇る実力派のチャンピオンとあって、戦前の下馬評はバンタム級時代よりも低い。圧倒的有利という見方が強かったこれまでのような雰囲気ではないのだ。

 そうした喧騒のなかで、かつて井上と2度も激闘を繰り広げたベテランもフルトン優位の見方を公言している。「フィリピンの閃光」の異名で愛されるノニト・ドネア(フィリピン)だ。

 現在40歳のドネアは2019年と22年に井上と対戦して連敗。とりわけ自身にとってリベンジマッチの意味合いもあった2度目のマッチアップでは、わずか2回でTKO負け。試合後には「過去に受けたパンチのなかで一番強く、頭が真っ白になった」と漏らすほどの完敗を喫していた。

 そんなベテラン戦士は米専門メディア『Boxing Scene』の取材で「私はイノウエの不利を口にしなければいけない」と回答。フルトンに対する井上の苦戦を予想している。

「イノウエが階級を上げ、フルトンが王者であることを考えれば、フルトンが少し有利だと言わなければいけない。彼(井上)はフルトンのような選手と今まで対戦したことがないからね」

 パワーでは劣ると見られているフルトンだが、類まれな技術力と確実にポイントを上げる打力はボクシング界屈指だ。ゆえにドネアは井上にとって29歳の王者が“未知なる相手”と指摘するわけだ。

 さらにドネアは「フルトンはハングリーになっている。なぜならネームバリューがあるイノウエとの対戦によって、彼は世界中のボクシング界で知られた存在になれるからね。間違いなく燃えているはずだよ」と強調。そのうえで「イノウエもしっかりと自分のボクシングをするだろう。彼はそういう選手ではある。きっと素晴らしい試合になる」と、かつてのライバルにエールを送った。

 井上の強さを熟知するベテランだからこそ語れるフルトンとの「差」。はたして、運命の大一番はドネアの予想するような展開となるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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